いい親ぶってる毒親。母と娘の末路 (2)
中学に入って、母は学校の先生から「人の目を気にするところがある」と指摘されて帰ってきました。母はひどく落ち込んでいました。私が塾から帰ると、電気もつけずに真っ暗な部屋の中でひとりポツンとすわって涙ぐんでいました。私は言いました。「お母さんごめんね。人の目を気にしないようにこれからは気を付けるから」。母はほっとしたように、やっと電気をつけ、立ち上がりました。 ...
私はその日から、人の目を気にしないように気をつけるようになりました。しかし、13年間も人の目を気にしながら生きてきているのです。私にとってはそれが「普通」でそれ以外の生き方をしたことがない。私ができたのは「人の目を気にしていると思われないようにふるまう」でした。私の頭の中は、もうごちゃごちゃでした。
「人の目を気にしながら生きる」と「自分のために生きる」。その違いがわかったのは、『毒親』という言葉に出会ってから。45歳を過ぎていました。私は長年生き辛さを抱えてきました。誰かを演じているような感覚が常につきまとい消えません。共依存、うつ、パニック障害、いい子症候群、対人恐怖症、アダルトチルドレン。私は、見事なまでに毒親育ちの特徴をすべて兼ね備えたような人間になっていました。
私が高校生のときに、母は私に白状したことがあります。「お母さんは、若くして母親になったでしょ。だから、ダメな母親だって言われたくなくて、あなたには厳しくしてきたのよ」。そしてこう続けました。「○○ちゃん(妹)にまで手が回らなくてあまりかまってあげなかったけどちゃんと育ったわね。あのくらいでもよかったのかもね」。自分が失敗作のような気がしました。
母は、それ以来少しだけ優しくなりました。でも、遅すぎました。せめて、先生から「人の目を気にすることがある」と指摘されたときに、自分にその原因があるのではないかと省みて欲しかったと思います。
愚かな母だったと思います。それに気づいて、私は少しずつ自分の人生を折り戻しつつあります。「誰かのために生きる」と「自分の人生を生きる」の違いがやっとわかってきて、誰かを演じているような感覚がなくなってきました。
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