嘘つき。約束破り。子供から信用されない父親 (2)

私の中に、父も母も私の言うことを真剣には聞いてくれない、という印象が強く残りました。大人にとってどうってことない運動会も、小学生になることを心待ちにしている子供にとっては、父が趣味のお店に行きたいのと同じくらい、母が買い物したいのと同じくらい、大事なことだったのだと思います。私の両親には、そういう感覚が皆無でした。 ...

私はあの頃から今に至るまで、父を信用できたことがない。私が何か父に言うと、父は決まってこう言いました。「お父さんに任せておけ。え？大丈夫かって？大丈夫だよ、大・丈・夫。アハハハ・・」。大丈夫だった試しがない。

私は今でも、嘘をつく人や、調子のいいことばかり言って無責任な人が大嫌いです。そういう人を見ていると無性に腹が立って腹が立って・・キレそうになります。「どうして私はこんなに怒りっぽいのだろうか」、『毒親』という言葉を知って、そのワケがなんとなくわかった気がしました。その人の言動が父と重なって見えるからだと思います。

私が本当に腹立たしく思っているのは、目の前にいる嘘をついている誰かではなく「父」。その人を通じて、想起されてしまった嘘つきで信用ならない父に怒っているんだと気がついて、私は少し怒りのコントロールができるようになりました。

同僚やクライアントのつく嘘に、平静ではいられないくらいイライラしていてもしょうがない。そんなときは、私が怒っているのは、この人じゃなくて「父」なんだ、と思うと、その場面で怒っていることがバカらしくなって冷静になれます。

そして家に帰って、父の何に怒っているのか振り返ってみるようにしています。嘘をつかれたり、騙されたりした出来事は、思い出すのも嫌だけど、父から何をされて、自分がどう思ったのか、父のどんな言動が私に悪影響を及ぼしているのか、ノートに書いたりしています。書いているうちに、気持ちが整理されて、嫌な思い出が消化されていくような気がします。

父とはもう何年も会っていません。父に会うと、頭にきて頭にきて、その後何日もイライラしていたり、わけもなく涙が出たり情緒不安定になるので、とりあえず今は会わないことにしました。

少しずつ、少しずつ。マイペースでトラウマを克服しようと思っています。

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