ACの心理!「親に理解されない」の心理 (2)

ACの心理!「親に理解されない」の心理 (2)

友達がいなかったわけじゃないけど、「どうして私だけ、誘われなかったんだろ?」と思うことが多かった。親や先生に反抗することなく、むしろ気に入られるようなことばかり言ったりしたりしている私は、友達から見たら「つまらない人」だったのだと思います。親に内緒にしておきたいようなことをするときに、私は邪魔だったんだろうな。そういうことに興味なさそうに見えていてもおかしくないような自分だったし、親にチクられるとか、誤解されていたかも、と思います。 ...

実際私は、親友だと思っていた人に「ときどき名前貸してもらってる。〇〇ちゃん(私)と一緒に行くって親に言うと、親が安心するから!」と言われたことがあります。「私のことは誘ってくれないんだ・・」と内心さびしくても、ニコニコ笑って「そうなの?いいよ~」とかいい人ぶってしまう私でした。

大人からは、大人を困らせるようなことは決してしない子だと決めつけられ、友達には、面白くないヤツだと決めつけられ、便利に使われ。「私のことをわかってくれてる人なんていない」と思っていました。どんなに人から褒められるような「私」でも、私はずっと孤独でした。悲しかったし寂しかった。大人になってもずっと。

その理由がわかったのは、ひょんなことがきっかけでした。私は、ある人から話を聞き、自分がアダルトチルドレンだと気づきました。

アダルトチルドレンの人は、子供頃、親からありのままを愛されたことがないのだそうです。親にとって都合のいい存在であるように仕向けられ、洗脳され、親から押し付けられた「役割」を演じるようになる。そして、その役目が果たせている自分が「自分」だと勘違いして育ってしまう。まるで私だ、と思いました。

私は、「イイコの私」として生きてきました。そうでないと、父と母が困ると思ったから。父と母を喜ばせたかったから。素の自分を見せられる場所など私にはありませんでした。家では、父や母の前で「親思いのイイコ」の私を演じ、学校に行けば、優等生を演じなければなりませんでした。

私は思いました。「親に理解されない」「誰からも理解されない」と感じていた私は、むしろ正しかった。親は、私にイイコでいるように強制し、それに満足し、本当の私を理解しようとなんかしなかったのだから。親に「素の自分」を受け入れられたことのない自分は、人にも「本当の自分」を見せられない。誰からも理解されなくて当然でした。

そんな私も、3年かかってイイコの仮面をぬぎ、本当の自分を取り戻しました。

私はある日、夫に宣言しました。「私、今日限り、いい人、いい妻、いい嫁やめるからね!」。私、42歳のときのことでした。イイコでなければ自分に価値がないと思い込んで生きてきた私にとって、それは、恐ろしく重大な決断でした。いい人、いい妻、いい嫁をやめると言っても、イイコではない「素の自分」で生きたことが今までないのです。自分がどんな人がわからない・・ということに苦しみました。

どういう状態が「素の自分」なのか試行錯誤し続けました。食べたいものを食べ、欲しかったものを買い、着たい服を着ました。茶髪にしました。メガネをかけました。掃除も洗濯も、ちゃんとするのをやめました。休みの日には、1日パジャマで過ごしました。

私にとって救いだったのは、夫がそんな私を嫌いにならなかったことでした。必死に「自分探し」をしている私を見守り応援してくれました。「これが私」と思えるのに3年かかりました。いい人でなくても、いい妻でなくても、「こんな自分じゃ、嫌われちゃう」とか思わなくなりました。

3年かかってわかったこと。それは、ダメな自分を認めると自分がわかる、ということでした。人から優秀だと思われたきた私は、いたって凡人でした。アホな勘違いも、バカげたことをすることもある普通の人。そんな自分を笑い飛ばし、自分で楽しめるようになりました。

みんなからいい人だと思われてきた私にも、腹黒いところがある。夫に「うちの親は毒親だ!! 一生、親のこと許さない!!」と今までの恨みつらみをブチまけたら、スッキリしました。そして、自分をわかってもらえた気がしました。なんて安心感だろう・・と思いました。生まれて初めて感じた感覚でした。

ACだった頃の私は、自分を責めてばかりいたな、と思います。どんなに親や先生から褒められても、いつも心は満たされなくて、親に「わかってよ」みたいなことを言って、通じないとイライラし、親から「贅沢すぎる」「親に求めすぎだ」と叱られたことも1度や2度じゃない。私は、親に不満を感じている自分が間違ってる、と思っていました。そうではありませんでした。子供がそう感じるには、それなりの理由が必ずある。子供だった私に罪はない。ウチの親は、そのことに気づくべきでした。

両親は、今でも私を、「親を心配させたりなんか決してしないいい娘」だと信じ込んでいます。茶髪で実家に帰ったら、呆れられ、「恥ずかしいから近所は歩かないで!」とまで言われました。なぜ茶髪にしたのか、という話をしかけたのだけれど、まったく興味なさそうだったのでやめました。

ウチの親は、子供を愛する以前に、そもそも「誰かを愛する」ことができない人だったのかもな・・というのは最近の私の分析。私に興味を持って欲しかった。私のことをもっと知ろうとして欲しかった。でも、その気のない人には、それは無理な話なんだろうな、と思います。

両親は、「本当の私」を知ることなくその人生を終えることでしょう。50年近くも付き合ってきて、結局、誤解されただけだったって・・。「親って、いったい何なんだろう?」そう思えてなりません。


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