心配性の親が原因のうつ。特徴と対処法 (2)
心配性の親に育てられ、人から心配されるのが大嫌いになった、という人がいます。その生い立ちと、今も感じている生きづらさについて語ってもらいました。 ...
母は、ネガティブな人でした。
子供の頃の僕は、何でも自分でやってみなければ気が済まない積極的な子供でした。母は、いつでも言いました。ひどく心配そうな顔で。「無理なんじゃない?」「うまくいく?」。
そんな母のことを父は、「お母さんは、お前が心配なんだ。お前が大事だからだ!」と言っていました。そうなのかな、と思っていました。しかしその一方で、内心うんざりしていたのだと思います。その証拠に、僕は、どんどん消極的になっていきました。そして僕は、人から心配されるのが大嫌いでした。
風邪をひいて学校を休んで「大丈夫?」「もうよくなった?」と、友達や先生から言われただけでムカつきました。ほっといて欲しいと思いました。そしてそんな僕は、友達を心配することもできませんでした。今思えば、自分が心配されてうれしくないから、人にもそれをするべきではない、と思っていたと思います。
僕はよく「冷たい人間だ」と言われました。友達も少なかった。そしてその生い立ちは、社会人になった僕に、暗い陰を落としました。僕は、社会人になって1年で、うつになりました。原因は人間関係でした。
僕は、心配されたくないので、何でもひとりでやろうとし、周囲の人のアドバイスや助けを突っぱねてしまい、孤立しました。人を心配することもできないので、「手伝いましょうか」みたいなことが言えず、周囲の人との協調作業も苦手でした。
会社で自分が浮いているような気がして、でもどうにもならなくて、会社に行けなくり、ついには診療内科へ行きました。でもそこで、自分の今の性格は、子供の頃の家庭環境が原因だったのだと気づきました。
心配性の母から言われてきたことを振り返り、考えました。母が僕にしていた「心配」は、僕が不快に感じて当然のことでした。僕は母から心配されればされるほど、自分が信用されていないと感じていたと思います。人を心配するとは、他人に対して失礼なことだ、と思っていました。
本当の心配は、100%相手のことを思う気持ちだけでできてるんだな、ということが今の僕にはわかります。そしてそのことに気づいて、変わりました。人との協調作業がだいぶできるようになりました。そして、困ったことが起きたときには、周囲の人に相談できるようにもなりました。子供の頃からずっと感じていた生きづらさから解放され、うつもよくなりました。
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