「友達」のような関係の親子。特徴と子供への影響
友達のような関係の親子がいます。そこには、どんな特徴があるのでしょうか。問題点は? その心理は? 子供は、それをどう感じているのでしょうか。そのような親子関係は、子供にどのような影響があるのでしょうか。 ...
友達のような関係の親子がいます。友達のように何でも話せる母親・父親。それは必ずしも悪いことではありません。しかしそこには、問題点もあります。
人間関係には、「気が合わない」「馬が合わない」ということがあります。親子関係も同じです。親子だからといって、必ずしも気が合うとは限りません。気の合う親子は、「お友達のような関係」でうまくいくことが多い反面、気が合わない親子でそれをしようとすると、子供が悲惨なことになります。
友達と仲良くできないとき、悩んだり落ち込んだりするでしょう。しかし、気の合わない子と「どうしたら仲良くなれるか」に悩むより、気の合う友達を見つければ、それでいいのです。しかし、気の合わない親から「友達のような関係」をのぞまれると、子供は追い詰められます。気が合わない相手と、仲良くしなければならなくなります。ただ単に気が合わいだけなのに。気が合わないなら仲良くする必要なんてないのに。「どうして親と仲良くできないんだろう」と悩むことになります。失わなくていい自信を失うことになります。
子供にとって親は、困ったときに助けてくれ、自分の味方でいてくれる存在であれば、それで十分。親が、子供にお友達のようなフランクでフラットな関係を望むことは、知らず知らず子供を束縛することになっています。
子供は、親が自分に何を期待しているのか、敏感に察知しているものです。親から「友達のような関係」を求められているとわかると、親と仲良くしてあげなくちゃいけないような気がします。親に気を使い、無理して付き合ったり、話を合わせたりするようになります。親のことを嫌いになっちゃ悪いような気がするなど、子供が罪悪感を感じがちになります。
子供には、子供の人生があり、子供時代を子供らしく生きる権利があります。子供は、親の「永遠のお友達」にならなくちゃいけない存在ではありません。
親に合わせて無理をして子供時代を過ごす多くの毒親育ちの人が、大人になった後も、生きづらさを感じ続けています。ある毒親育ちの人は言いました。
「人に合わせてばかりで、自分がないんです。一度友達になった人とは、ずっと付き合わなくちゃいけないと思っていて、離れることは、相手を裏切ることに思えます。最近になって、生い立ちの影響だと気づきました。子供の頃から、親の『お友達』になってあげていたので、自由に友達とくっついたり、離れたりしたことがない。趣味や話が合わなくなったら、友達と距離を置いてもいい、という感覚がわからないんです。嫌いな友達と我慢して付き合い続け、ひとり勝手にイライラしたりしてしまいます」。
母親と友達のような関係だった、と語るこの人。母親をどう思っていたのか、その本音と、現在の関係を赤裸々に語ってくれました。 [...]
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