子供に嫌われたくない親たち。その心理と子供への影響 (2)

「子供に嫌われたくない」と思っている親の元に育つ子供の多くは、親のことを嫌いになってはいけない、というプレッシャーの中にいます。本当は嫌いなのに、親に気を使って「嫌いじゃない」「好きだ」と自分に言い聞かせていたりします。無理して親に合わせたり、と仲良くしようとします。 ...

そしてそれは、子供の人格形成や、自我の発達にまで悪影響を及ぼします。そのような子供は、好き・嫌い、といった誰しもが正直になっていいはずの自分の感情や感覚に、罪悪感を感じるようになるからです。

そのような親に育てられた人は、友人関係でも、嫌いな友達や、気の合わない相手と無理して付き合ってしまうところがあります。相手の子と、仲良くしたいと思っているのかさえ自分ではわからず、無理して好きであろうとし、結局いい友達ができません。また、友達のことが好きになれないと、自分が間違っているような気がし、自分に自信が持てなくなってしまったりします。

そのような家庭環境に育つ子供は、親との関係に苦しむだけでなく、いい友達もできず、孤独な人生を歩みがちになるのです。

いい親は、自分が嫌われることをいとわず、100％子供のためだけを思って行動します。自分が嫌われ者になることで、子供が幸せになれるのなら、それでいいと考えます。「私のこと嫌いにならないで」などと考えている親は、子供が自由に感じることを禁止しているも同然なのです。

大人になっていく過程の中で、一度も親を嫌いになったことがない人は、いないでしょう。それが健全です。親を嫌いになったり、親に反発したり反抗することで、子供は「親とは違う自分」「自分らしさ」を見出します。それは、人が大人になり、精神的に自立していくために必要なことなのです。

ある毒親育ちの人はこう言いました。「親には、堂々としていて欲しかった。私が親を嫌いでも、ママはあなたのこと好きよ！と動じないで欲しかった。母が、私から嫌われてるんじゃないかと不安そうなそぶりを見せると、私も不安になりました。私は、母の感情に振り回されっぱなしでした。それが、私の生きづらさの元だということに、もっと早く気づいて欲しかったと思います」。

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