「劣等感」は虐待のせいだった!心理と直し方 (2)

「劣等感」は虐待のせいだった!心理と直し方 (2)

私をいじめていたその「父」が、実は、劣等感の塊のような人なのではないか、と気づいたのです。 ...

私の劣等感。それは、「劣等感の強い父」による刷り込み。まるで「劣等感の連鎖」でした。

父には、父親がいませんでした。母親は働きづめて、かわいがってもらった記憶はないようです。そんな家の「主」は、父より10歳年上の「父の兄」でした。

父のお兄さんは、まるでドラえもんの「ジャイアン」みたいな雰囲気の人。喧嘩が強くて、行動力があり、地元で成功している実業家。いつもたくさんの子分(部下)を連れて歩いています。しかも、母親からも頼りにされている一家の「主」のような存在。父にとって、そんなお兄さんは、超えたくても越えられない壁だったのだと思います。

父は、いつでも心の中で、兄と自分を比較していたようでした。私が思うに、父は、お兄さんとはまったく違うタイプの人。気が優しく、お人よしで、人と競うよりも人と仲良くおしゃべりとかするのが好きな人。父は、自分で自分を縛っていました。「兄のようにならないと」と。でも、そうはなれない・・それが、父の劣等感の元でした。

「お兄さんはお兄さん、自分は自分でいいのに。どうしていつまでも、お兄さんと自分を勝手に比べて、劣等感を抱いているんだろう・・」。

そう思ったら、すべての謎が解けました。愚かな父には、自分より「下」の人間を作ることでしか、自分の劣等感を払拭することができなかったのだと思います。お兄さんという越えられない壁。しかも、妻(私の母)には頭があがらず、姉も父のことを無視。末っ子の私を貶めることで、優越感に浸り、支配され続けている劣等感から解放されたかったのだと思います。

「それって虐待だよね?」

ひどいことされてきたな、と思いました。「お父さんは、お兄さんとは違うタイプなのに。ひとり勝手に比べて、劣等感を抱いて、お父さんってバカだな」と思いました。「私も、誰かより劣っているとか、優れているとか、そんなことばかり気にしてたら、お父さんみたいになっちゃうんだな」と思いました。そんな人生、嫌だな、と思いました。

私はその日から変わりました。自分は自分、と言い聞かせ、人と自分を比べないように心がけました。

私には、人と比べてダメなところもあるけれど、それが「私」。ありのままの自分を、ありのままに受け入れてみたら、今のままの自分で十分な気がしてきました。「ダメなところがあっても、自分のこと好きになっていいんだな」と思えたら、イライラしなくなりました。人の欠点ばかりに目が行く私だったけれど、完璧な人なんていないんだから、そんなのどうでもいいじゃん!と思ったら、人付き合いが楽しくなりました。

劣等感の強い父に、劣等感を植え付けられてしまった私。劣等感って連鎖するんだな・・と思いました。でもその連鎖は、断ち切ることだってできるんだと思います。

父のことを思うとき、怒りも湧いてくるけれど、その怒りをバネに、これからは強く生きられそうな気がしてきています。


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