娘の人生を狂わせたモラハラ親父親によるDVの実態 (2)

父は、兄には優しかったのです。父は、兄とはいつでもご機嫌にしゃべっていました。笑い合っていました。私は自分のことを、「人をイライラさせたり、嫌われたりしやすい人なんだ」と思い込んでいきました。兄のように、父と普通にしゃべったり笑ったりしたかった。でもそれができないのは、私が悪い、兄のようになれないからいけないんだ、と思っていました。 ...

しかも私たちきょうだいは、親戚や知人のおじさんやおばさんに、「いいお父さんね」とよく言われました。兄は誇らしげでした。でも私は・・。父は、大企業に勤務し、重役にまでのし上がった人でした。仕事のよくできるそういう立派な人は、家でも立派な父親だとみんな思ってるの？？　外面だけはやたらとよく、モラハラ親だとは、誰も気づかない。周囲からそう言われるたびに、父のことが好きになれない自分が間違っている気がしました。

そんな私には、結局味方がひとりもいない。母は、私が父から罵倒されたり、叩かれたりしていても、知らん顔でした。今思えば、母も、父のモラハラの被害者でした。私は母が、父からこれでもかというくらい殴られているのを見たことがある。母は父におびえていたのだと思います。

そんな私は、今42歳。私は、男の人と付き合ったことがありません。そればかりか、好きになったことさえありません。

私は、男性恐怖症なんだと思います。私にとって男性は、いつ怒り出すかわからない怖い人。怒らせたら最後、絶対に太刀打ちできない相手。そして男性はみんな、女性のことをバカにしている。私は、父を通して「男性」という存在を、そんな風に認識するようになったのだと思います。

そして私は、男性から好かれない、とも思っていました。だから、男の人を避けていました。

そんな私は、40歳のとき、こっそり精神科に行きました。孤独で不安で、耐えきれなくなったのです。カウンセリングを受けたり、同じような生い立ちの人と知り合い、私は少しずつ、自分は父からされるべきではないことをされてきたのだ、と思えるようになりました。

同じような境遇の人と友達になり、話をし、ちょっと気持ちがほぐれたのか、最近、私にも、生まれて初めて好きな人ができました。相手は35歳。７歳年下です。これが10年前だったなら・・と思いました。遅すぎた、と悲しくなりました。それでも、おしゃれしてみたり、お化粧に凝ってみたりしました。そして、「毒親育ち」仲間と頻繁に食事に行ったりするようになりました。

そんな私の変化を見て、父は言いました。「ヘンな宗教にでも入ったんじゃないだろうな」。

実家を離れ、ひとり暮らしがしたいのだけれど無理だよな、と思います。収入が足りないだけじゃない。私は、父に「お前なんか」「女なんか」と虐げられて育ってきている。いざ自活しようと思っても、自分には無理な気がしてしまう。親から逃げたいのに、その「逃げ出すパワー」をその親から奪われてしまっている。どうにもなりません。

最近、父にこうも言われました。「俺が死んだら、この家は、お前のものになるんだ。お前には、結婚は無理だろう？　だからこの家を残してやるんだ。感謝しろ」。

私に結婚は無理？　悔しいです。本当に悔しいです。男性恐怖症にしたのは誰なのよ！！　私は父に、人生を狂わされたと思います。

人は言うでしょう。親のせいにするなんて、と。それはモラハラの怖さを知らない人の言うこと。親のせいだから「親のせいだ」と言っている。それのどこが悪い！　それさえ言えないんじゃ、私たち毒親育ちは、どうすればいいの？　すべて私たち「子供の立場の人」が悪いの？　父にそう言い放てたなら、どんなにスッキリするだろうと思うけど、その勇気はないです。でも、そう思えるようになっただけでも、私は前よりちゃんと強くなれている！　そう思います。

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娘の人生を狂わせたモラハラ親 父親によるDVの実態 (2)

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