子供にお礼を言わない親。心理と子供への影響 (2)

子供にお礼を言わない親。心理と子供への影響 (2)

私は、父にも母にも「ありがとう」を言われたことがありません。 ...

私はずっと思っていました。「お父さんやお母さんから、ありがとうと言われたい」と・・。母の日や父の日、両親の誕生日に、何か喜ばせるようなこととか、驚かせるようなことをしたいと、張り切っていた時期もありました。

しかし、それも自然としなくなりました。父も母も、私に「ありがとう」とは決して言いません。子供が作ったものなんて、買ってきたものには到底及ばないし、子供がおこずかいを溜めて買ったものなんて、安物です。それでも、私が心を込めてやったこと・・それをうれしいと思って欲しかった。ありがとうと言われたかった・・。

その一方で、両親は、やたらと私から「ありがとう」を言われたがりました。感謝を強要するのです。

父は、私にお金をかけていることに対して、感謝されたがりました。母は、私のためにやりたくもないママ友との付き合いもし、行きたくもない保護者会に行き、子供ために毎日ご飯を作って・・自分が子供に払っている犠牲に対して、感謝されたがりました。

今思えば、父も母も一方通行でした。感謝される側と感謝する側、それは固定のものではないはずです。でも、我が家では違いました。親が感謝される側であり、子供は感謝する側。子供がいるから毎日楽しいな~、子供に感謝だな~、と思えるような親だったら、私は「ありがとう」を言われたかもしれないし、犠牲払わされてる!なんて言われずに済んだと思う。

そんな私は、親から「感謝の気持ちがないのか!」とよく怒られました。ひねくれものだ、とか、根性が曲がってる、とか、しょっちゅう言われました。私には、意地でも親に感謝したくないと思っているようなところがありました。でも今は、こう思います。一度でも父や母が、私に「ありがとう」と言ってくれたなら、私も言えたかもしれません。「そりゃそうだよね! その感覚、間違ってないと思うよ」と、自分で自分に言ってあげたいです。

私は長く、自分の存在価値がわからない、という生きづらさに支配されてきました。私は、父や母に感謝をするために存在しているようなもので、「あなたがいてくれてよかった」と思われることなどない。私は一体何者なんだ?!と思えてなりませんでした。

大げさだと思われるかもしれないけれど、私は真剣にそう思っていました。しかし、1匹の猫が私を変えてくれました。

猫の世話をあれこれ焼きながら、私は毎日猫に「ありがとう」と思いました。仕事で疲れて帰ってきたときに、この子がいるから癒されるな、と思います。元気になれるな、と思います。猫は私に「ありがとう」なんて言わないけれど、ちっともかまわないな、と思います。

私には、子供に「ありがとう」を言おうとしない両親が間違っていると思えるのだけれど、親は、私が間違ってると思っている。どっちが正しくて、間違ってるのか、を考え出すと、結論が出ない。それを悩んだまま自分の一生が終わってしまいそうだ・・「もうどうでもいいや!」と思ったらラクになりました。猫と一緒にいるときの自分が、一番自分らしくて幸せな自分。そんな気持ちで、生きていけばいいんじゃないかな、と思いました。

私には、兄がいるのだけれど、兄は親と今でも同居していて、やっぱり人に「ありがとう」を言わないです。毒親に育てられた人の中には、毒親に違和感を感じない人もいるんだそうで、でもそんな人は、その人自身も毒親になっちゃう・・! 毒親に違和感を感じる私が「私」、これでいい。

実家とは縁を切ることに決めました。親から見下されているような生きづらさから、自ら飛び出す決心をした自分に誇りを持とうと思います。自分らしく、堂々と生きていきたいです。


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