子供に嘘をつく母親。その心理と対処法 (2)

子供に嘘をつく母親。その心理と対処法 (2)

そのような家庭で育つ人の多くは、人間不信です。 ...

子供は、親が考えているよりずっと賢い存在です。特に、「その人のことを信頼できるか」といったことに関しては、むしろ大人より敏感です。子供は、大人から守られていなければ、生きてはいけない弱い存在です。そのため、誰が自分を守ってくれるのか、誰のことなら信用していいのか、ということに敏感なのです。

子供は、たとえ相手が親でも、そこに嘘があるかどうかを敏感に察知します。そして、嘘をつかれてると思い始めると、もう止まりません。何を言われても、そこに嘘があるような気がします。幼くして「人間不信」のような状態になります。

親や家庭環境が原因の「人間不信」。どうしたら回復できるのでしょうか。

人間不信の人の多くが、人を信用できず、疑ってばかりいる自分を好きになれずにいます。今日から、自分を責めるのはやめにしましょう! 好きで人間不信になる人など、この世にはひとりもいません。人間不信にならざるを得ないような何かがあったから、人間不信なのです。あなたは何も悪くありません。

人間不信の人には、その回復のために「信じられる誰か・何か」が必ず必要です。親のことは信用できなくても、周囲に信用できる人がいるなら、その人を心の支えにしましょう。亡くなったおじいちゃん、おばあちゃんでもいいのです。テレビでよく見る人でもかまいません。「この人のことを信じよう!」と思ってみましょう。

そういう人がいなくても、どうぞガッカリしないでください。お守りのようなものを持ち歩き、それを信じることでも人は強くなれます。お気に入りのマスコットでも、愛着のあるハンカチやタオルでもいいのです。不安になったり、何もかも信じられないような気分になったら、ギュッと握りましょう。「自分にはコレがついてる!」と思いましょう。

そして、何より効果があるのは「自分を信じる」ことです。自分に嘘をつかない、ということを覚えると、そのような生き辛さから解放されます。自分に嘘をつかない、ということは、自分で正直でいること。自分の感じ方を肯定することです。「親から嘘をつかれていた」と感じている自分の感覚を信じましょう。肯定しましょう。

多くの毒親育ちの人が、親に「嘘なんてついていない」と反論された経験を持っています。そして「自分の感じ方が間違っているのか」と思わされています。その言動に嘘がある親ほど、「嘘なんてついてない」と言い張ることを忘れないでください。普通の親はそんなとき、「嘘をついてると思わせてしまったなんて、悪かったな。ごめんね」と思うものです。

「自分の感じ方が間違っているのか」と思ってしまいそうになったら、そこでちょっとだけ踏ん張ってみましょう。親がなんと言おうと、嘘をつかれたと感じているなら、それが正しい。それでいいのです。

そしてそう考えることは、あなたをさらに素敵な人にしてくれます。親の嘘を「嘘ついてるつもりないのか・・」と許してしまうと、自分もいつか人に、その程度の嘘ならいいだろう、と思うようになるものなのです。「自分を信じる」とは、生きづらさから解放されることであり、自身をさらによくすることでもあります。


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