虐待の影響 「幸せだと思えない」の原因 (2)
「父は、思い通りいならないとすぐ怒る人でした。暴力を振るわれたこともあります。母は、私をかばうどころか、父の肩を持ちました。何でもかんでも私が悪い、ということになるんです」。 ...
この人は、本当に自分に否があるのか考えもせず、両親に謝るようになっていったと言います。「そうしないと、家庭の平和がないんです。妹や弟のためにも、私が謝って、その場を収めたかった」。その態度に、両親は満足げだったと言います。「私は、自分のその態度が間違ってるとは思ってもみませんでした。自分が悪者になることで、みんなが気分よくなるならそれでいい、と」。
その間違えに気づいたのは、結婚後だったと言います。「幸せなはずなのに、自分が幸せかどうかがわからないんです。夫が幸せそうだと、自分も幸せ。でも、夫が幸せそうじゃないと、自分も幸せじゃない。何か違う、と思いました。人に引きずられて幸せだったり幸せじゃなかったり。自分の幸せはどこにあるんだろう、と思いました」。
原因が、自分の生い立ちだと気づき、この人は自ら変わろうとしたと言います。「夫に聞きました。幸せって何?と。笑ってました。でも私の話を親身になって聞いてくれ、何回でも、彼の考える『幸せ』について話してくれました」。
「愛する人が幸せなら自分も幸せ。それもあっていいと思うんです。でも、私に絶対的に欠けてたのは、自分の幸せでした。自分が幸せだと思ったら、あなたが不幸そうでも幸せだって思っていいの?と聞いたら、夫がそうだ、と。そうなのか・・と呆然としてしまいました」。
当初それは、自分勝手な考えのような気がしたと言います。「今はわかります。それは自分勝手じゃない。それが自分を大切にするってことなんだって。私は、自分を大切にする、ということを知らない人でした。いつも誰かのために犠牲になってるんです。みんなが幸せだったらそれでいいよ、と。それが私の幸せだと思ってた。でも違ったんです」。
虐待で受けた心の傷を癒し、この人は今やっと、幸せだと思えるようになってきたと言います。「私は無意識に、自分の幸せにブレーキをかけていたような気がします。幸せになっちゃいけない気がする、というか・・。どんなに自分が楽しくても、父や母が、そんな私を気にらなければ、それはしてはいけない・・そんな生い立ちだったから。誰にも遠慮することなく幸せになっていいんだ、って思えたときのハレバレとした気持ちは、きっと一生忘れないと思います」。
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