acからの解放 貧乏な家庭 (2)
大人になり、社会人となり、年齢があがるにつれて、自分に違和感を感じるようになったと言います。「自分が空っぽな気がしました。何のために生きているのかわからないんです」。 ...
ACから回復した今、「それもそのはずだった」とこの人は穏やかに笑います。「私は、自分を犠牲にして『かわいそうな母』のために生きてきました。私は子供の頃から、自分の人生を生きたことがないんです」。
それに気づいても、すぐには変われなかったと言います。「自分の思い通りに生きてみようと思っても、どうしてもブレーキがかかるんです。それをすると母を見捨てることになりそうで・・」。
罪悪感に苦しんだ日々。3年が過ぎた頃のことでした。「私をこれ以上巻き込まないでくれ!・・なぜだか急に、そう叫びたくなりました」。それを境に、この人は生きづらさから急激に解放されていきました。
「自分は自分。母は母。私と母の間に、境界線が引けたような感覚でした。私は、母に飲み込まれていました。そこからポンと外に出られたような解放感がありました」。
そしてこう続けました。「どんなに母が不幸でも、そんな夫と結婚したのは母。それが母の人生。私は、母の人生の問題を、なんとかしてあげようとし過ぎていたと思います」。
親の問題の解決に、子供が巻き込まれるようなことがあってはいけない、とキッパリ語ったこの人は、まもなく結婚するそうです。
「愛情のある家庭を築きたい・・心からそう思います」。月並みな言葉に聞こえることでしょう。しかし、ACだったこの人には、それがどんなに大切で、そして大変なことであるかも痛いほどわかると言います。
どうぞお幸せに・・そう願ってやみません。
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