娘を男性不信にする父親が原因の鬱 (2)
しかしそれは嘘でした。「小学校高学年の頃だったと思います。浮気って何?って母に聞いたら、顔色がみるみる変わりました。聞いてはいけないことを、聞いちゃったんだな、と思いました」。 ...
家で二度とその言葉を口にすることはなかったと言います。「当時の私には、浮気が意味することさえはっきりわかりませんでした。でも漠然と、父は母を騙しているんだな、ということだけはわかりました」。そしていつしかこの人の中で「悪者の父親と、夫から酷い目に合っている可哀そうな母」という構図ができあがってしまったと言います。
「私にとって、父は、いえ、男性はみな、女性の敵にしか見えなくなっていきました」。
この生い立ちが、社会人になったこの人に暗い影を落としました。「男性とチームを組んで仕事をすることができませんでした」。鬱になりました。男性とうまく話せない。些細なことで「嘘ついてる」と思えてならなくなる。でも、仕事を進めるためには、我慢しなくちゃいけない・・「そのストレスに耐えきれなくなったと思います」。
しかしこの鬱が、この人の根深い男性不信を治すきっかけになりました。「ある人に思い切って、父の話をしました。家庭の恥をさらすようだし、親の悪口を言ってるみたいで、気がひけました。でも、その人は、決して私をバカにはしませんでした」。その人は、職場の先輩、男性だったそうです。
なぜ自分が、その人と目を合わせて話をしないのか、避けがちなのか、説明しようと思ったそうです。「こんな私とチームを組んでいても、楽しくないだろうと思ったんです。会社をやめようと思ってました。でもどうせやめるなら、最後に本当のことを言ってみよう、と思いました。私の話をすべて信じてくれました。それがとてもうれしかったです」。
この体験が、この人の男性不信を治すきっかけになったと言います。「その人のことをちょっとだけ信用できるようになって、ウチの父がいかに最低な人だったのか気づいたんです。家ではいい夫・父親ぶって、家族を平気で騙してたなんて最低最悪です」。
この人は言います。「今でも、男の人を見ていると、無性に腹立たしくなったり、嘘をつかれていると思えてならなくなったりすることがあります。でも、父ほどひどい人は、世の中そういない。ここには父はいないんだから、私は大丈夫・・そう自分に言い聞かせると、気持ちが落ち着きます」。
自分にはこの先、恋愛ができるだろうか、結婚できるだろうか・・そう考えると、暗くなることもあったそうです。「最近気づいたんです。私の男性不信は、一生治らないかもしれない。でも、たったひとりだけ信用できる男の人を見つければ、それで十分なんじゃないかな、って」。
こんなに親に苦労してきたんだ、この先はきっといいことがある!・・そう信じてると笑います。私もそう願ってやみません。
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