子供に家事を手伝わせる家庭【ac対策】 (2)

子供に家事を手伝わせる家庭【ac対策】 (2)

この人は、親にそれを訴えるどころか、仕事に忙しい親に理解を示そうとし続けてしまったと言います。「父は出張ばかり。母にも母の仕事がある。母は私が困らないようにと、おこずかいもたくさんくれたし、家事のやり方も教えてくれました。私は幼心に、親に迷惑かけちゃいけない、と、何でも自分でやるようになっていました」。 ...

寂しい、怖い、心細い、甘えたい、一緒にいたい、話を聞いて欲しい・・自分の気持ちを抑え込み、親の仕事や立場を理解しようとした日々。これは、子供をACにする家庭の典型です。自分のためではなく、親のために生きている子供。それがその子供にとっての「普通」になってしまうため、大人になっても自分の人生を生きることができないのです。

この人も、長くその生きづらさに悩んだひとりです。「私は典型的なアダルトチルドレンだと思います。親を大切にすることはあっても、自分の気持ちは大切にしてもらったことがない。私は、自分で自分を大切にする、ということの意味がまったくわかりませんでした。友達との関係でも、簡単に人の犠牲になってしまうようなとことがありました」。

そして何より苦しかったのは、虚無感だと言います。「自分が空っぽな気がしました」。社会人になり、それが露呈したと言います。「人に尽くしたり、人に協力したり、というようなことは得意でも、自分の意見はない。何がしたいとか、どうしたいかとか、そういうことが全くわからないんです」。

しかしこの人は、自分がACであることに気づき変わりました。

「自分でなんとかしたいと思いました」。親に甘えたことのないこの人は、自分がACだとわかっても、人を頼れなかったと笑います。しかし、それは実を結びます。

子供の頃の親の姿を思い出しては、自分の気持ちをノートに綴る日々。「辛かったです。とても。でも気づいたんです。やっぱり私は、辛かったんだなって。さびしかったんだなって。親との楽しい思い出なんて何もないんです。思い出されるのは、したくもない家事をし、ひとりでご飯作って食べて、寝る・・友達が羨ましいような、自分が惨めに感じられるような感覚」。

自分がワーキングマザーであることを誇りにしていた母親。「それがどれだけ偉いのよ。子供を犠牲にして? 私はあなたの家政婦じゃない! 子供を利用するのもいい加減にしてよ!」。その本音がノートに書けるようになるまでに、3年かかったと言います。

「ACだった頃の私は、人から見たら子供みたいだったかもしれません。自分の考えもなく、人のご機嫌ばかりとって。でも逆だったんです。私はむしろ早く大人になり過ぎてしまった。家事をこなし、家族(親)の気持ちを考え、我慢するべきところを我慢して」。親から子供らしく生きる権利を奪われた人・・それがアダルトチルドレンなのです。

「私には、子供の頃にしなければならなかったこと、してもらわなければならなかったこと、それがスッポリ抜け落ちてしまっている。それを大人になってから取り返すことは容易ではありません。私の子供時代を返して欲しいと、親を恨んでも恨んでも・・いくら恨んでも足らないような気分に支配された時期もありました」。

そんな辛い時期も乗り越え、この人は、今、元気に過ごしています。「実家には、あまり帰っていません。もう帰らないかも。母は今でも、家事はしないみたいです。実家に帰ったとき、言われたんです。洗濯してくれない?って。私の方がうまいから、って。自分ができないこと、したくないことを、子供にやらせて自分がラクしようとするのは間違ってる・・そのことに母は今だに気づいていません。どんなに出世しても、高給取りでも、くだらないです。そんな人」。


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