「人を喜ばせるために嘘をつく」の解決方法 (2)

「人を喜ばせるために嘘をつく」の解決方法 (2)

人と話しをするときの相槌の打ち方を変えてみてください。相手の人の話に、何でも同意するのをやめるだけで、嘘がなくなります。「私はそうは思わない」などとハッキリ言う必要はありません。「そうだね・・」「そうね・・」とだけ言うことを心がけてみてください。大げさな言い方を避け、淡々と言うのがポイントです。 ...

この「そうだね」は、相手の人からしたら同意してもらったと聞こえる「そうだね」です。だから表面的には、相手との関係は以前のままです。でもこれは、あなたの心の中では、YES でも NO でもない「そうだね・・そうだな・・どうなんだろ?」の「そうだね」です。

そしてその場で、あるいは後で、自分の本当の気持ちを心の中で確認してみてください。相手の人にそれを言ってもかまいませんが、言いにくいなら、言わないままでもOKです。自分の気持ちが自分でわかっている、ということが重要です。

しばらくの間は、かえって疲れると感じることでしょう。相手にも気を遣い、自分の気持ちも大事にし、ふたつの面倒をみなくてはいけなくなるからです。自分が本当はどう思っているのかも、最初はなかなかわからないかもしれません。でも、繰り返しているうちに、自分の本音にすぐ気づけるようになります。自分の気持ちに正直になることの心地よさがわかったら、人を喜ばせるために嘘をつくことが、ただただ疲れるだけのことに思えてきます。自然ともう嘘はつかなくなります。

「人を喜ばせるようなことばかり言って、自分を苦しめていました。自分の心に正直になれないことほど、心を病むことないんだな、と痛感しています」。そう語る毒親育ちの人がいます。

「私は親に、正直に話をしたことがありません。小学校低学年の頃すでに、私は親を喜ばせるようなことばかり言ってしました」。それに疲れていた感覚は、幼い頃からあった、と言います。しかし、それがどうしてもやめられない事情がこの人にはありました。「両親は、妹を虐げていました。妹は、私よりおとなしく成績も悪かった。私は、妹と立場が逆転してしまうのが怖くて、自分がいかにイイコなのか親にアピールし続けました」。

それは、この人の友人関係にも暗い影を落としました。「相手が自分に言って欲しいことを考えて、それを口にする、というのが私の常でした。家庭でそうしかしていないので、それ以外の方法を知らない。そうするのが普通だと思い込んでいました。だから、友達とも本音でしゃべれない。何でもしゃべれる友達、みたいな人ができないんです」。

そんなこの人が変わったのは、結婚がきっかけでした。「結婚しても私は、両親に、彼がいい人であることをアピールしてました。彼があんなこと言った、とか、こんなことしてくれた、とか、両親が好みそうなことばかりしゃべってました」。

ある日、夫婦で大げんかいなったそうです。「夫は私とは真逆で、人に対しても、自分自身に対しても、正直すぎるくらい正直な人です。いい人ぶるなんて、到底できないその彼に、私は、もう少し私の実家で気を使ってよ、と言ってしまいました。なんでいい夫ぶらなきゃいけないんだ、あなたは実家で変だ、ふたりでいるときとは別人みたいだと言われました」。

はっとしたそうです。確かに、実家に帰るとグッタリ疲れる・・。「ひょっとして、私、実家で無理してる?と思いました」。ご主人に聞いてみたそうです。「私は、人と話すときに、相手が自分に何を言って欲しいのかを考える、そしてそれを言うようにしてるんだけど、あなたは違うの?と。ビックリしてました。疲れるでしょ?と言われました」。

その日を境に、嘘までついて、人に調子を合わせたり、人を喜ばせたりするのはやめようと思ったそうです。「会って疲れる感じがする人と、しばらく会うのをやめようと思いました。会えば相手は、私が、話を合わせてくれると思っている、そう期待されるのが辛い。いったん距離を置き、自分を立て直そうと思いました」。親とも、きょうだいとも、会うのをやめたそうです。そして友達とも。

「結果、私には、ひとりも友達がいなくなりました。よくよく考えてみれば、私が友達だと思っていた人はみな、『言って欲しいことを言ってくれる私』が好きな人ばかり。私には本当の友達なんて誰もいなかったんだな、とショックでした」。でもこうも言います。「私は、友達に合わせてばかりで、本音でしゃべったことがない。だから、いい友達もできなかったんだと思います」。

親のせいで、友人関係にも苦労させられてきたのかと思ったら、親を恨んでも恨み切れないような気分になったと言います。でも今は晴れやかです。「新しい友達ができました。相手を喜ばせることばかり考えて人と付き合うのは疲れます。最初は怖かったけれど、本音でしゃべるようにしたら、そんな私を好きになってくれる人もいて。その人とはいい友達になれそうです。親や友達を、私は大事にしていたつもりでした。でも、嘘まみれでした。自分に嘘をつかないことを覚え、初めてそれに気づきました」。


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