虐待された子供の行動パターン 「親の顔色をうかがう」から立ち直る方法 (2)

虐待された子供の行動パターン 「親の顔色をうかがう」から立ち直る方法 (2)

親から虐待されて育った人がいます。 ...

「思えば私は、親の顔色ばかりうかがっていた子供でした」。そう語るこの人は、幼い頃から、両親に虐待されてきたと言います。

「父は、暴力的な人でした。一度カッとなるともう止まらない。一方的に怒り、私が反論しようものなら、反抗的だと殴られました」。母親も同類でした。「母は、感情的な人でした。機嫌がいいときと悪いときで、言うことが変わるんです。しかもしつこいんです。一度機嫌が悪くなると、なかなかよくならない」。

この人は、小学生低学年の頃に、すでに親の顔色をうかがっていたそうです。「私は、親に何か言うと、その後で必ず、親の反応を確認する習慣がありました。少しでも親の顔色が曇ったり、怒ってるんじゃないか、と感じられたら、言うことを変えたりしていました。嘘をつくこともしょっちゅうでした」。

しかしこの人には、それが「親の顔色をうかがっている」状態だという自覚は全くなかったと言います。「そうするのが普通だと思ってたんです。みんなそうしてるんだって」。それなのに、親をしょっちゅう怒らせる自分は、ダメな子なんだと思っていたそうです。「私は自分に自信がありませんでした。普通に話をすると人を怒らせてしまう、そういう人なんだ、と思い込んでいました」。

自分の生い立ちが異常だと気づいたのは、大人になってからでした。職場でもうまくいかない。友達もできない。「何で自分はこうなんだろう、と悩んでいました。あるとき、虐待が原因で友達ができない人になってしまう、という話を読んだんです。その話は『まるで私』でした」。

気づいたそうです。「私は、子供の頃からずっと、人の反応を見ながら言動を変えるようなことばかりしてきました。だから誰からも信用されない。子供の頃から今に至るまで、友達ができない、できても長続きしない」。ショックだったそうです。しかし、肩の荷が下りた、とも。「私は何も悪くない!と思いました。あの両親と一緒に暮らすのには、そうするしかなかった・・今でもそう思います。子供の頃から、そうやって生きてきた私には、それしかできない、それ以外方法を知らない、大きな負債を親に負わされてしまったと思いました」。

しかしそれに気づき、少しずつ、人の顔色をうかがうことが少なくなっていったと言います。「人って、言いたいことを言って、したいことしていいんだな、と少しずつわかってきて、生きづらさがなくなりました。相手の人が怒り出すんじゃないかって最初はすごく怖かったけれど、思い切って思っていることを言ってみれば、怒り出す人は誰もいませんでした。父や母のような人は、世の中そういない。私は、とんでもないハズレ親に生まれちゃったんだなとつくづく思います」。

この人は、話の最後に、自分の体験が誰かの役に立つのならと、今感じていることを話してくれました。「私は、世の中の親達にこう言いたいです。自分の子供に、顔色をうかがうようなところが少しでもあるのなら、親にそのつもりはなくても、虐待していないか、と省みて欲しいです。子供は、原因もなしに、親の顔色をうかがうようになったりしないです。顔色をうかがわざるを得ない何かがあるから、顔色をうかがうんです。でも子供は、それがどんなにストレスでも、親が間違ってるとは気づけない。親を嫌いになってしまうことができない。子供を虐待するのが親なら、子供を幸せにするのも、やっぱり親だと思うんです」。


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