虐待された子供の性格!自我未発達の解決策 (2)

虐待された子供の性格!自我未発達の解決策 (2)

虐待され、自我未発達のまま大人になってしまった人がいます。 ...

「父は、暴力的な人でした」。そう語るこの人は、長く自分が自分でわからない、自分に自信が持てない、自分を出せない、生きていて楽しくない、といった感覚に悩まされてきました。

この人は今50歳。自分を親から取り戻せた気分だ、と言います。何が彼女を変えたのでしょうか。

「父は、私が少しでも自分の考えを言うと、口答えするな、と怒ったり暴力を振るったりする人でした。でも私は、それを虐待だとは思っていなかったです。45歳まで」。それには理由がありました。「母に、いつも言われていたんです。私には、はっきりものを言い過ぎるところがある。嫌わられたり、怒らせたりするから気を付けなさいと・・」。この人は、父親に暴力を振るわれるのは、自分の性格のせいだと思い込んでいたと言います。

「私は、思春期以降どんどん口数が少なくなっていきました。そればかりか、親や周囲の人のご機嫌を取ってばかりいるようになりました。いつでも人に気を遣い、人に合わせてばかり。相手を怒らせないように注意してしか人と付き合えないんです」。

それが異常な状態なのだと気づいたのは、『毒親』という言葉を知ったことがきっかけでした。「初めて、自分のされてきたことが虐待だと気づきました」。

自分を否定されてきた。だから、自分が何を言いたいのかも、何をしたいのかも、自分が何者なのかさえわからない。「悔しかった。親のせいで、人生狂わされたと思いました。私の人生はもう折り返し地点を過ぎています。絶望的な気分になりました。でもこのまま終わりたくない。終わるわけにはいかない。残りの人生、言いたいことを言い、したいことをしようと思いました。でも、いざそれをしようにも、それがわからないんです。重症だと思いました」。

絶対に人から否定されそうもないことから始めたと言います。「買い物するときに、自分の好きなものを買うようにしました。食べ物を注文するときに、自分の直観を信じるようにしました。人からどう思われるかとか、考えるのをやめました」。

3ヵ月も経てば、何が欲しいのかポンと頭に浮かぶようになったと言います。「趣味を見つけてみようと思いました。好きなこととか、得意なこととか、みな否定されてきたので、趣味がないんです。こんな趣味持ったらヘンかな、とか、自分に向いてないかもとか、思ってしまっていました」。

失敗しても、飽きてもいいから、とにかく何か初めてみる。そして、楽しいと思ったら続ける、楽しくなかったらやめる・・それを繰り返したと言います。「今は、観葉植物を育てています。楽しいです。どんな趣味を持ってるか、より、自分が楽しいと思うことをする、それが大事なんだな、とわかってきました」。

生きづらさから解放されつつあるというこの人は、自分の「自我」について、こう語ってくれました。

「今の私の自我でもっとも大事なところは、親から虐待されてきた過去だと思ってるんです。そんなネガティブな部分が自分にあるなんて、なんだか情けなくて悲しくて、自分の人生が失敗だったような気がして、なかなかそれを認められませんでした。でも、自分のこの性格も、虐待とか親の洗脳で植え付けられた部分が大きいと思うんです。その過去の上に、今の自分がある。それが自分だ、と今は思っています」。

最近では、虐待を受けてきたことを、人に言えるようになったそうです。「お正月明けとか、みんな実家に帰った話とかするけれど、私にはそのネタがない。親が好きじゃない。虐待されてきたから、ってあるとき言いました。実は私も・・と言う人がいて、話してよかったなと思いました。そういう過去をお互い知った上で、今までと変わらない関係でいられる人がいることで、今の自分に自信が持てました」。

虐待を受けてきた人のことを「サバイバー」と言います。虐待を受けてきた人は、大人になった後も、幾重にも苦労が立ちはだかります。それは、普通の環境で育ってきた人には到底想像できないものばかり。悩むこともあるでしょう。悲しくなることもあるでしょう。生きづらさに耐えきれなくなることもあるでしょう。自分を癒しながら、どうか生きてください。生きているだけで、みな「サバイバー」なのです。

虐待されている人、虐待されてきた人に、これから先、たくさんの幸せが待っていますようにと心から祈ります。


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