「親に嫌われてる気がする」の対処法 (2)

「嫌われてるような気がするんだけど」ということは、親に言ってみていいことです。例えば、バカにされたり、傷つくようなことを言われたら、こう言ってやりましょう。「本気で言ってるの？　傷つくんだけど」。嫌われてるんじゃないか、と感じられるようなことがあったら、「・・・もしかして、私・僕のこと、嫌いなの？」と言ってみてかまいません。 ...

話をちゃんと聞いて欲しい。欠点ばかり言わないで。無視しないで。人と比べないで。もっと関心を持って欲しい・・思っていることを親に言ってみることは、とてもいいことです。そのときには、自分がかなり追い詰められた状態であることをひと言添えてみると、『毒親』には効果的です。

「自分はすごく悲しい」。
「このままじゃキレちゃいそうだ」。
「家に居場所がなくて辛い」。
「自分なんかいない方がいいんじゃないかと思えてくる」。
「このままじゃ、自分も親のこと、嫌いになっちゃいそうだ」。

その思いが親に届かなくても、どうぞ落ち込まないでください。相手は、子供に「嫌われてる気がする」と思わせている最低最悪な『毒親』です。それを言ったところで、「好きに決まってるでしょ」とスルーされた。「何言ってるの？」とバカにされた、ということが大半です。「被害妄想」と決めつけられた、という人もいます。「どれだけお前のために、いろんなことをしてやってると思ってるんだ」と叱られたという人もいます。

ここで大事なのは、思っていることを親に言った、という事実です。言いたいことが言えた、と少しでも思ったら、自分で自分に大きな「◎」をあげて、やり遂げた！と胸を張りましょう。そして、「やっぱり通じなかった。何も変わらなかった。やっぱり最低の親だったってことだ」と思いましょう。

どこまで行っても通じないらしい・・と思っても、どうぞ絶望しないでください。

そんな状態から、生きる希望を見出した人がいます。

「私は親から嫌われてると思います」と言うＡさんは、２歳違いのお姉さんとふたりきょうだい。何かにつけ、お姉さんと比べられ、粗末に扱われてきたと言います。

「姉は、勉強もスポーツも私よりよくできました。しかも、容姿もよくて、話も面白い。父も母も、姉の話ばかり聞きたがりました。私には、興味がなさそうでした。姉が話しかければ、テレビを見るのも、本を読んでいるのもやめて話を聞くのに、私が話しかけたら、顔もあげてくれません」。

高校生になった時、お姉さんは、学校に持っていくお弁当箱を買ってもらったそうです。「母とふたりで、買い物に出かけて、かわいいキャラクターのお弁当箱を買ってもらっていました。羨ましかった。高校生になったら、私も同じことをしてもらえると思っていました。でも違いました。母は、近所のスーパーで、タッパーみたいな容器を買ってきました。自分でも、何であんなに頭にきたのかわからないくらい、キレてしまいました」。

「なんでそんなことでキレるの？とひどく叱られ、呆れられ、数日、家族から無視されました。でも違うんです。それだけじゃない。それまでの積み重ねが、あのとき爆発したんだと思います。それなのに、『お弁当箱ごときで』と言われたのが、最悪に嫌だった」。

親から嫌われてる気がする、という感覚は、嫌われてるに違いない、好かれてるはずがないという確信にも似た感覚に代わり、長く生きづらさを感じていた、というこの人。でも今は、元気です。きっかけは、ある人から言われたこんな言葉だったそうです。

「親から嫌われてても、自分で自分を好きになることはできると思うよ、って言われたんです。何のことか、最初はさっぱりわかりませんでした」。

しかし、少しずつわかってきたと言います。「自分は、親に嫌われているので、そんな自分が好きになれない、好きになってはいけない気がしていました。でも、そうじゃかったんです。自分を好きになることだけは、自分の心の中で自由にしていいことでした」。

最初は、どうやって自分を好きになればいいのかわからなかったそうです。「自分には、好きになっていい面など何もないような気がしました。でも、コツがわかったんです。自分の悪いところを好きになるのが、近道でした。私は、勉強いまいちだけど、そんな自分でもいいじゃない！　それが人に嫌われる理由になる？って思います。最近では、親に嫌われてると思っている自分のことも、嫌いじゃないです。親に嫌われてると悩んでいる人がいても、私はその人のこと、嫌いじゃない。それと同じだと気づきました」。

いつか自分も、お姉さんのようになったら、親から愛されるに違いないと、と思い込んで生きていた子供時代だったと言います。「私は、私。姉のようになったら、私じゃなくなる。親から好かれるために頑張る必要なんて、何もありませんでした。私は、親が嫌いです。私を邪険にしてひとり得意になっていたお姉ちゃんのことも。そんな今の自分は、前より堂々としている感じがして、好きです」。

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