ACの特徴！「友達を裏切る」を直す方法 (2)

「私は、友達を簡単に裏切ってしまう子供でした」。そう語る人がＡＣの人がいます。 ...

「暗い雰囲気の家庭でした」。そう語るこの人の母親は、友達のいない人だったと言います。

「友達だけじゃないんです。母には、趣味もありませんでした」。いつも自分を卑下し、ネガティブなことばかり言っていたというこの母親。ひとり娘であるこの人と、しゃべりたがり、出かけたがり、一緒に居たがった、と言います。

「私は幼くして、母に同情心を覚えてしまいました。私は、小学校に入学するのが嫌でした。母と一緒にいてあげないと、かわいそうな気がしてたんです」。父親不在、というわけではかったそうです。「父は、母に無関心でした。父親の態度も、私の母への同情心に拍車をかけました。私が味方でいてあげないと、お母さんはひとりぼっちになっちゃうんだ、と思ってしまったんです」。

この人は言います。母親のためなら、何でもする子供だったと。友達を裏切ることも、厭わなかったと。

「成績がいいと母が喜ぶので、勉強を頑張りました。習い事も頑張りました。すべては母の笑顔が見たかったから、自分が楽しいから、とか、自分のために、とか、そういう動機づけは私には皆無でした」。

友達との約束を破ったり、友達と共有した秘密を親にしゃべったりするのも、それと同じ感覚だったと言います。「友達と約束をしていても、母が何か言えば、母の都合を優先させました。母の笑顔が見たかったから。私には当然のことでした。母は、私が友達より母を優先していることを知っていました。母は、それに満足気でした。友達より自分を選んでくれたことに幸せを感じているようでした」。

「親に秘密を持ったことがない」と言うこの人に転機が訪れたのは、彼氏ができたときでした。「母は、彼のことやデートの内容を、やたらと聞きたがりました。肉体関係があるのかないのかとかそういうことまで。彼氏ができれば、親に言えないこともでてきます。母は、その頃から、せっかく育てたのに男に取られたとか、私に裏切られた、とか言うようになりました」。

結婚してもそれは続きました。その年月は、この人が鬱で倒れるまでのなんと15年。「時間が経てば、理解してもらえるだろうと思っていた私がバカでした。鬱になって、仕事も家事もできなくなり、朝、起きることさえできなくなり・・そして知りました。私は、典型的なアダルトチルドレンでした」。

自分のような生き方は、「親のために生きてきた」であって「自分の人生を生きる」ではないと知り、愕然としたと言います。「自分の過去をすべて否定しなければならないような気がして、そんなはずはない、信じたくないと、何度も何度も思いました。私は、親思いのいい子のつもりでした。でも違ったんだな、と現実を受け入れられたのは、何ヵ月も経ってから。その後は、私の人生を返して欲しいと、怒りが湧いて湧いてどうにもなりませんでした」。

散々泣いて怒って。それでも、人はまた立ち上がれるものなんだな、とこの人は今、笑います。

「親より自分が大事。最初は、必死でそう自分に言い聞かせました。何かを買うにしても、何かを飲んだり食べるにしても、自分のため100％でやろう、ということを心がけました。最初はひどく疲れました。そして、自分勝手な気もしました。自分のやっていることが、はたして正解なのかどうか、不安で仕方ありませんでした」。

ある人に言われた言葉が、心の支えだったと言います。「自分を大事にできない人は、他人も大事にできない、と言ってくれた人がいました。私の『親思い』は空っぽでした。自分のことをおざなりにして、人を大事にしてもしょうがないな、と思えるようになっていきました。いつか夫を、本当の意味で大事にできるようになるために、まずは、自分を大事にしようと思いました」。

自分を大切にすることを覚えたら、母親のしてきたことがいかに間違っていたかよくわかったそうです。「そして、自分の過去も。友達より親、という感覚は、『親思いのいい子』ではない。私は、友達のいない子供でした。それも当然だったと思います。悲しい過去です」。

しかし、そんな過去も含めて、今の自分に誇りを持つことができるようになってきたのが最近の彼女です。「普通に育ってきた人なら、自分のために生きる自由があることが、どんなに大切なことなのか、意識もしないだろうと思うんです。でも私にはわかります。それを奪われていた過去があるから。アダルトチルドレンだった私にしか気づけないことがある。それが今の私を作ってるんだと思うんです」。

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