娘をけなす母親。その心理と対処法 (2)

娘をけなす母親。その心理と対処法 (2)

「母は、子供の頃から、私の欠点ばかりを指摘する人でした」。そう語るこの人は、母親から、言葉遣いや態度はもとより、友達と接している態度や好み、容姿まで、ありとあらゆる点をけなされてきたと言います。「母は、ひとりよがりな人でした。少しでも母の理想通りでないと、それはすべてダメなことだとされました」。 ...

娘をけなす母親。それは、この人の結婚後、さらにひどくなったと言います。「母は、夫や夫の実家のこともけなしました。私は耐えられませんでした。実家から足が遠のき、5 年間、実家に帰っていませんでした」。

けなされたことのひとつひとつを思い出しては、うずく心の傷。「母は、私のことをいろいろけなすけれど、それも私の一部。そんな自分を愛してくれる夫がおり、そんな私を必要としてくれている我が子がいる。私は、強くなりました。そして、今なら、母に会えるかも、と思いました」。

まずはひとりで実家に帰ってみることにしたそうです。この5年間、実家に帰らなかったことを自ら進んで謝り、そこから少し話でもできればと思っていたのに・・。「この間に、娘を傷つけていたことに少しは気が付いて、態度を軟化させてくれているかもしれない、なーんて、ひそかに期待していた私がバカでした」。

言われたそうです。「5年もの間、親と音信不通にするだなんて、私はかなりのひねくれもので、根性が曲がっている。親のおかげで今があるということに思い至れないひとりよがりで、視野の狭い人間だと。常識に欠けていて、社会人としてもダメダメで、人として根本から間違っている・・と」。しかも、それだけでは終わりませんでした。「私のそんな態度に、私の夫も辟易していて、私のことを嫌っているはずだ。そんな母親を持った、お前の子供も不幸だ、お前はいわゆる『毒親』に違いない、と言われました」。

毒親に、自分が毒親だと言われるなんて・・」と呆然としてしまったそうです。しかし、この人は今、穏やかにこう言います。「そこまで行くと、滑稽にさえ聞こえます。気づいたんです。子供の頃から、母にけなされた点を気にし、そこを治さないといけないと思ってばかりいた私だったけれど、そうじゃなかったんだなと。母は、私をけなしたがる人。私をけなすのが好きな人。ただそれだけだったんだ、と」。

この人は、もう母親には、二度と会わないだろうと言います。「母は、兄のことはけなしません。私と母との関係には、女性同士であることが微妙に影響しているのかも、とも思います。女性同士の関係は、複雑でややこしい。それは、母と娘も同じなのかもしれないけれど、それをぶつけられる子供の立場の人間はたまったもんじゃない。まるでいじめです」。

彼女は、最後にハレバレとした表情でこう言いました。「人をけなす人は、人をけなすのが好きな人。人をけなす人の前では、どんなに完璧な人もけなされる。だって相手は、単に、人をけなすのが好きな人だから。私はいつか、自分の娘が、誰かにけなされて落ち込んでいたら、そう言ってあげようと思います。そしてそれは、自分にも。母から言われた言葉がふと思い出されて辛くなるとき、自分から自分へ、言い聞かせている言葉でもあるんです」。


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