「親にかなわない気がする」。心理と対処法 (2)

子供に「親にかなわない気がする」と感じさせる親には、ある共通点があります。それは、「一生、自分が子供より優位に立っていたい」と思っていること。そのような親は、あの手この手で「親にはかなわない」と子供に思わせようとしています。ただ単に「どうだ、かなわないだろう」と言いたいだけの人なのです。 ...

今日から、「親にはかなわない」と暗い気持ちになってしまったら、「そう思い込まされてるだけなんじゃないかな」と思いましょう。どんなにあなたが立派になっても、その手の親は、同じことをあなたに言います。なぜなら、「自分はお前よりスゴイんだ」と言いたいだけだから。それだけだからです。

そして、それに気づいたあなたは、その時点で、親を超えています。「ウチの親は『どうだ、かなわないだろう』と威張っていたい人。中身空っぽのくせに」とでも考えましょう！

そしてここにも、そんな人がいます。Ａさんです。

「子供の頃からずっと、親にかなわないと思ってきました。いつか超えてやろうと思っていました。でも無理でした。僕50歳。父76歳。やっと気づきました。かなわないんじゃない。かなわないと思い込まされてきただけでした。あのクソおやじは、正真正銘の毒親です」。

Ａさんは言います。まんまと毒親の洗脳にひっかかってしまった、と。「あのクソおやじは、親としての能力は低いくせに、子供を洗脳する術にだけは長けていました。若いときは収入を自慢され、まだまだだと思わされました。車とか家とか、財産の面でも、一方的に自慢され、かなわないような気にさせられてしまいました。人の価値は、そんなことでは決まらない、と頭ではわかっていても、なんだか悔しくて、いつか超えてやりたいと思っていました。超えたいとムキになっていた時点で、僕は、おやじのトラップに引っかかっていたんだと思います」。

それは、最近わかったことだと言います。「親も年を取ってきたし、と思って、今後のこととかを話していました。さすがに、これから子供に面倒みてもらうんだから、おとなしくなるだろうと思ったら違ってました。『俺にはかなわないだろう』オーラが炸裂でした。おやじの面倒見るの、やめました」。

この人は、噛みしめるようにこう語ってくれました。「子供の立場の人間は、どこまで行ってもあの手の親にはかなわない。だって、お前は子供の頃からそうだ！とか、どんなに苦労してお前を育てたと思ってるんだ！とか、お前に投資した金、返せとか言われたら、こっちの立場がない。あっという間にかなわなくなってしまう」。

「おやじと50年付き合ってわかったこと。それは、『俺にはかなわないだろう』と言いたがってるだけの人だったってこと。どんなにこっちが頑張っても、それを認めてくれることはないんだよね。あの手の人は。だって単に、『俺はすごいんだぞ』って威張り散らしたいだけなんだから。本当にくだらないです。野垂れ死のうが、どうなろうが、はっきり言って、もう知らないです」。

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