子供から信用されない親。その特徴と対処法 (2)

子供の頃から父親に振り回され続けてきた、と語るＡさんは、人を信用することができず、いつもイライラしていて、キレやすい子供だったと言います。 ...

「おやじは、言葉の暴力の激しい人でした。人を傷つけても平気。相手をノックアウトするまで、言葉の暴力を浴びせ続けました」。

忘れらないことがあると言います。Ａさんが中学生のときのことでした。「高校進学の話をしていました。私立に行きたいんだけど、と相談した僕に、父は言いました。金のかかるやつだなぁ。何かしてもらいたいなら、お前も俺に何かしろ、交渉事というのは、そういうものだ、と自信満々に言っていました。本気で言ってるの？と聞きました。本気だ！と胸を張っていました」。

Ａさんは、父親の車を磨いたそうです。「珍しいことするじゃないか」とゲラゲラ笑ってたので、「何かしろって言ったじゃない」とＡさん。すると父親はこう言ったそうです。「冗談だってわかんないのか。バカだな、お前は」。

「父は、いつもこんな風でした。言いたい放題言って、その発言に責任を取らない。矛盾だらけだとわかっていても、どこからどこまでが本当で、どこが冗談なのか、皆目見当がつかない。しかも日によって、その境目も変化する。おやじと話をするのが、苦痛で仕方ありませんでした」。

そんなＡさんは、あまり友達もおらず、社会人になっても人間関係に悩むことが多かったと言います。「僕は、人の言っていることを、素直に聞けないところがありました。それは、おやじの影響だと気づきました」。

そんなＡさんも今は、父親から受けてきた心の傷も癒え、自分に自信が持てるようになったと言います。

「おやじほど最低な人間は、世の中そういない、だから、周囲の人のことを信じてみよう、と思うようにしました。そしたら本当に、おやじほどひどい人はいないと気づきました」。

もう何年も、父親とは話をしていないそうです。「おやじは今でもあんな調子で、まったく信用できません。おやじから学んだことがあるとするなら、言ってることがコロコロ変わるヤツとか、人を振り回して楽しんでいるようなヤツは、信用できないってことです。自分の親なのにな、と思うと残念だけど、おやじを踏み台にして、自分の人生がよりよいものになればそれでいい。そう思うことにしています」。

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