【毒親育ち】「社会性に欠ける」の対策 (2)

そしてここに、社会性のなさを治すことができた、という毒親育ちの人がいます。 ...

「私は、居ないも同然の存在でした」。そう語るこの人は、両親から無視されて育ってきたと言います。「両親のお気に入りは、兄と姉でした。私のことはほとんど無視。後から知りました。私は、作る予定のなかった子なのだそうです。道理で、邪険に扱われていたはずです」。

この人には、友達がいなかったそうです。「どうやって友達を作ったらいいのかわからないし、友達とどう付き合えばいいのかもわかりませんでした。生き辛さに耐えかねて、誰かを頼ろうと思っても、頼れる友達がいませんでした。いたのかもしれない。でも、その人に、どうやって話せばいいのかがわかりませんでした」。

しかしこの人は、そこからひとりで立ち上がりました。「本を読んだり、ドラマや映画を見ました。人は、どういうときにどんな風に言うのか、興味がありました」。それはこの人にとって「人付き合いのお手本」になったそうです。

「自分の中で、自分と会話しました。友達いない私って、ダメなのかな、とひとりの私が言ったら、そうとは限らないよ。友達いない人、みんなダメな人？そんなことないと思うもん・・というように」。

この繰り返しが、この人を大きく変えたと言います。「自分で自分に、言いたいことを言えるようになりました。自分から自分へ、慰めの言葉をかけてあげられるようになりました。癒されていくようでした」。

続けること１年。自分に向けて言えるようになったその言葉を、人に言ってみよう、と思ったそうです。「ある人に、打ち明けました。友達いないの、寂しいんだよね、って。私がいるじゃん！って明るく言ってくれてうれしかった。私はこんな生い立ちだから、友達付き合いうまくないところあるかも。変なところあったらごめんね、と最初は言いました。そんなの全然気にしなくて平気、と言われ、少しずつ、こんな私でごめんなさい、とは思わなくなりました」。

この人は最後に、明るい笑顔でこう語ってくれました。「大人になってからでも、社会性って伸ばせるものなんだな、と知りました。親のせいで、大きくスタートから躓いちゃった人生だけど、少しずつでもいいから、前進していきたいです。今、好きな人がいるので・・付き合えるといいな、とか思っています」。

この人のこれからの人生に、幸多かれと祈りたい気持ちになりました。

先頭へ戻る