【認知症父の入院1】精神病院に医療保護入院しました (2)
担当者について
まったく姿を現さない担当医に変わって、退院までの4ヵ月間、病院側の窓口になっていたのは、「Fさん」(イニシャルではありません)という女性でした。この4ヵ月の入院期間中、母が病院側の人と話ができたのは、Fさんだけ(退院前日に担当医と初面談をしたときを除いて)。父に関する情報は、一貫してこのFさんから伝達されました。 ...
ちなみに・・私はFさんのことを、父の日常の世話などをしてくれている担当看護師さんだと思い込んでいたのですが、後日そうではないことが判明します。Fさんの肩書きは「退院後生活環境相談員」でした。私たちは、入院後わずか数日、父が隔離室に保護されている状態のときからずっと「退院相談員」としか話をしていないことになります。どうりで、詳しい病状の説明など一切ないまま、退院をせかされてばかりだったはずです。これについては後ほど詳しく。
父の容態がわからない
父の入院中、私、夫、母の私たち3人は、ずっと言い続けていました。「お父さんの容体が全くわからない」。担当医から、父の容態や病名についての説明が一切ない。その上、担当者(Fさん)の言うことがどうにも腑に落ちない。入院後数日でもらった「落ち着かれましたよ」というFさんからの電話。これに続いて病院(Fさん)から言われたのは、こんな言葉でした。
「先生は、転院をお考えです」
入院から1ヵ月が経った頃、母はFさんからこう言われます。「先生(担当医)は、S病院に転院させるつもりです」と母に告げました。S病院とは、両親が住む地域唯一の精神病院。この時点で、担当医からは父の容態や病名について何も聞けていませんでしたが、「やっぱり、お父さんは相当悪いんだな」と思いました。「転院」ということは、「退院できる状態ではない」ということです。入院時にもらった書類には「推定される入院期間 11ヵ月」とも書いてあります。転院後も、まだまだ入院生活が続くのだろうと思いました。
私たちには、転院は確実なものに感じられました。Fさんは車を持たない両親に、「S病院まで送ります」と言っていました。母は同乗できないけれど、患者である父に関してはA病院が転院先まで送ってくれるとのことでした。そこまで言うのだから、S病院への転院は確実だろうと思いました。そして母も、私たち息子夫婦も、その心づもりをしていました。
人のいい私は、この頃大きな勘違いをしていました。「担当医の先生は、父を転院させるつもりだから、病状の説明を何もしてくれないんだな」と。父は、この病院に搬送される前に、いったんS病院で診察を受けており、あいにく満床で入院できなかったために、隣の市のこのA病院に入院したという経緯があります。あくまでも父はS病院から回されてきた患者で、S病院に戻った後で、S病院の医師から説明を受けるのが筋ってことなのかな・・とこの時点では理解していました。そして、そう理解していたからこそ、早期にS病院に転院になるのは確実だろうとも思っていました。
しかし次に病院から言われたことは、「転院です」ではなく「退院です」でした。
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