【認知症父の入院6】父のせん妄の原因と再発の可能性
退院時に初めてわかった老父の病名。ナント認知症ではなかった!
これは、[認知症父の入院5] からの続きです。
主治医から何の説明もないまま、入院から3ヶ月半が過ぎ、私たちは、父の病気は、認知症か統合失調症だとずっと思っていました。なぜなら、支払い後に病院からもらえる「診療明細書」に、認知症の薬「レミニール」と統合失調症の治療に使われる薬が記載されていたから。薬の名前をネットで検索しました。父の病状を知る手段は、それしかありませんでした。 ...
手書き部分は私のメモです。
父は急性一過性精神病性障害だった!
父の病名がわかったのは、退院する2週間ほど前、ひょんなことがきっかけでした。病院に記入をお願いしておいた医療保険「〇フラック」提出用の書類(医師の診断書)には、「傷病名」という欄がありました。そこに書いてあった病名が「急性一過性精神病性障害」だったのです。
初めて聞く病名でした。急性一過性精神病性障害について、ネットですぐ調べました。
急性一過性精神病性障害とは
「急性一過性精神病性障害」は、高齢者特有のものではなく、認知症とも違う病気です。たとえば失恋したとか、リストラされたとか、親しい人が亡くなったとか、ショックなことが起きると、正常な認知機能を失ってしまうことがあります。幻視、幻聴が起きたり、ひどく落ち込んだり、興奮状態が続いたり、普段はしないような行動を取ってしまうなど、正気ではない状態になる。そのような症状を「急性一過性精神病性障害」と言うそうです。通常3ヶ月くらいで症状は落ち着くそうです。(実際、高齢の父もそうでした。)
父の急性一過性精神病性障害。その症状
父が急性一過性精神病性障害を発症したとき、父は「ネズミがいる」と幻覚を見ながら、「退治しなくちゃいけない」と、ハサミやものさしを振り回し、ありとあらゆるものをひっくり返し、押し入れの中をかき回し、物を投げたり叩いたりして壊し、家の中はグチャグチャだったそうです。このほかにも、父にはおかしな行動がたくさん見られました。
・外に出ようとしたものの玄関がわからなかったのか、窓をたたき割ろうとした。
・ゴミ箱に排尿した。
・洋服を胸に抱えたまま風呂に入って出てこない。
・風呂から出ても、体を拭いたり服を着たりしないので、そこら中水浸し。
・トイレのタンクをひっくり返そうとした。
・タオルの柄をネズミだと勘違いして、タオルと格闘。
・止めに入った親戚の男性を(母と浮気してると勘違い?)、動物のようにウーウー唸りながら睨みつけた。
・・などなど。
父は膝が悪く、2階に上るのがやっとの生活をここ5、6年続けていたのですが、なぜだか興奮状態にいたときには、体がよく動いていたようで、「ネズミがいる」と、階段を駆け上がったり下りたりしていたそうです。テレビやストーブを持ち上げて投げようとするなど、火事場の馬鹿力?重いものも平然と持ち上げていたそうです。また、警察に取り押さえられたときにも、警官2名ではどうにもならず、助っ人を呼んで3人がかりでやっと取り押さえたとのこと。ここ数年は、テレビの前に座ったっきり、口は依然達者なものの、体は相当にきつそうだった父。85歳の父のどこにそんなパワーが残っていたのかと不思議です。
急性一過性精神病性障害の原因
入院先の担当医が作成したこの医療保険申請用の診断書(↑)、「原因」のところには「不詳」と書いてあります。しかし、病名がわかってみれば、発症の原因もすぐに思いつきました。(だからこそ、担当医の先生には、患者家族である母に、病名を早い段階で教えていただきたかったと思います。)
父は、せん妄騒動を起こしてこの病院に医療保護入院する数日前に、兄の危篤の知らせを受けています。このことが相当にショックで精神的におかしくなってしまったのではないか、ということは、すぐにピンときました。
父と兄はふたり兄弟。とても仲のよい兄弟でした。父親がおらず、このお兄さんが働いて父を大学まで行かせてくれたのだそうです。「兄貴のおかげだ」「俺は兄貴に頭があがらんのだ!!」とその恩をずっと言い続けていた父。父は定年退職した後、お兄さんの自宅の庭を借りて畑を作り、毎日顔を合わせていました。お兄さんは、父にとってたったひとりの兄弟であり、父親のような存在。父の人生になくてはならない「親友」であったかもしれません。
私はここ数年ずっと思っていました。「お父さんは、おじさん(父の兄)が亡くなったらガックリきて、後を追うように逝っちゃうかな・・」と。その叔父は、父が入院した5日後に亡くなりました。父は、おじさんの後を追うように逝ってしまった・・のではなく、危篤と聞いた段階でそのショックに耐えきれず気が狂ってしまった(せん妄を起こした、急性一過性精神病性障害になった)ということではないかと推察されます。
発症から退院まで。父の言動の変化
この「急性一過性精神病性障害」、3ヶ月くらいで収まることが多いのだそうです。父も確かにそうでした。
父は、入院3ヶ月目までは、母からみて「ちょっとおかしい」「前とは明らかに違う」と感じられていた点が多かったのですが、4ヵ月目に入ると「いつも通り」になっていきました。実は父は、外面は異常にいいものの家では「DV夫 兼 毒父」みたいな人。高圧的な口調で「病院の人に土産もってこい」と母に命令するようになったり、退院直前には「プロ野球の開幕までに退院させろ。迎えに来い」みたいなことを言って母を違った意味で再び煩わせ始め、良くも悪くも「いつもの父」に戻っていきました。 [...]
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