【認知症父の入院10】入院はお金がかかる!収支報告 (2)

【認知症父の入院10】入院はお金がかかる!収支報告 (2)

病院からの請求書は大きくわけて2種類です。病院からもらう請求書と、院内の売店からもらう請求書です。 ...

1ヵ月目の入院費用

入院1ヵ月目は、最もお金がかかった月です。「保険診療外等請求書」「入院費請求書」とあります。

下の方の「入院費請求書」がいわゆる入院費用です。上段左から、診察料、投薬料、注射料、処置料、手術・麻酔料、検査料、画像診断料。下段左から、その他、入院料、食事療養費、食事合計額、一部負担金、合計点数、請求金額(A)となっています。食事療養費、食事合計額、一部負担金、請求金額は「円」。それ以外の項目は「点」が単位です。

入院1ヵ月目、父は、診察、検査のほか、投薬、注射、浣腸などの処置を行ってもらっています。その欄に点数が記載されています。そして下段には、食事代。請求金額、しめて88,270円也。

上の方の「保険診療外等請求書」。精神科に入院している父には、毎月「医療外事務費」として、月2,000円+手数料の請求がありました。精神科の病院においては、看護師さんが、患者さんの日常の世話もすることになる。その費用です・・といった内容が書かれた以下の紙を、入院時にもらいました。

日用品もイロイロお金がかかる!

以下は、院内売店の請求書。入院生活に必要なものを買いそろえる必要があったため、1ヵ月目にかなりの費用がかかりました。

<日用品> 入院生活に必要なものを買いそろえた費用。深夜にせん妄を起こし、医療保護入院という形で緊急入院した父は、当然、入院に必要なものなどを持参しておらず、必要なものを、病院側が、院内の売店で購入してくれました。Tシャツ、ジャージ、トレパン、バスタオル、サンダルなどの文字が見えます。

<紙パンツなど> これは、高齢の父ならではの費用かと思われます。父は夜間、紙パンツ使用していたようで、紙パンツの請求は毎月ありました。そのほかに、入院1ヵ月目は、尿取りパット、オムツの請求がありました。

<おやつ> チョコレート、といった文字が見えます。病院では日に2回、おやつの時間がありました。家族が差し入れてもいいようでしたが、父の場合には、看護士さんなどが買ってきてくれていたようです。これも毎月、売店から請求がありました。

<洗濯外注費> 洗濯は病院の方で手配してやってくれました。毎月4000円の請求がありました。
入院1ヵ月目の諸費用、31,300円でした。

このほかにも、母は入院数日内に、病院からの指示で、トレーナーや下着などの衣類を複数枚、歯ブラシ等々を病院に持参しています。購入金額として2万円ほどかかったそうです。

2ヵ月目の入院費用

入院2ヵ月目からは、検査や注射、処置は全くなく投薬のみとなり、「医療費」は減ります。請求額の大半が食費です。78,930円也。

院内売店からの請求は、7,400円。おやつと介護パンツ代、外注洗濯費。入院2ヵ月目以降は、どの月もおおよそこのくらいの金額でした。

3ヵ月目の入院費用

3ヵ月目の「医療費」は71,690円。うち55,160円が食事代でした。。

4ヵ月目の入院費用

4ヵ月目の「医療費」は75,450円。父の順調な回復ぶりを示すように、その金額は減っていきました。3ヵ月目より4ヵ月目の方が金額が多いのは、3ヵ月目は2月で28日しかなかったため。4ヵ月目には、入院中に要介護認定を受けましたが、その費用負担はありませんでした。

5ヵ月目(退院時)の入院費用

父は満4ヵ月で退院しており、5ヵ月目の入院費用には、「退院時に持たされた薬(認知症の薬、レミニール)3週間分」が含まれています。5,850円也。

退院時には、このほかの雑費の清算も。

文書料領収書とは、医療保険〇フラックへ提出する書類(医師の診断書)を書いてもらった費用と、退院後通院するように言われた病院への紹介状代。4320円。320円は消費税だと思われます。母の話によると、紹介状代は数百円だったとのこと。医療保険を請求するために病院に書いてもらう診断書に、3,500円程度(プラス消費税)がかかったことになります。

4ヵ月の入院。その費用は?

医療と食事代、314,340円。
その他、おやつや日用品の購入等々、71,730円。
しめて386,070円也。

父は、かけ捨て型の医療保険に加入しており、そこから30万円の入院給付金を受け取りました。差し引き、マイナス86,070円でした。

医療保険で損してる?!

父は、30年近くもかけ捨て型の医療保険に入っていました。月額5,945円。保険会社に支払った保険料はざっくり200万円。それ、貯金しておいていざというときに備えた方が得だったかもね・・。

しかし、それでもまだこの保険に入っていてくれてよかった!と私たち息子夫婦は思います。なぜなら、父はアル中で浪費癖があり、母には貯金するという習慣がまるでないのです。30年近くかけて、30万円の貯金をしておいてもらった、何もないよりマシだった・・そんな感じです。

お金に無頓着な親をどうするか

父は、かなりお金にルーズな人で、定年退職まで教員を勤め、結構な退職金をもらっていたと思うのですが、飲み代?人付き合い? いつの間にか、消えていました。

「俺の退職金は、全部酒に変わった!」などと、こちらからすれば笑いごとでは済まないことを、まるで武勇伝のように、母に、息子である夫に、そして嫁である私に自慢気に言って聞かせてくれます。それに苦言を呈すなどもってのほか。同調しないだけでも、なぜだか怒り出す(怒りたいのはこっちです)。かなりめんどくさいというか、無責任というか、「この人の頭の中、どーなってるの??」と理解不能の父でした。

母と結婚して60年、家計のことなど一度も考えたことのない父は、今回の入院にどのくらいのお金がかかり、通帳残高が少ない状態で、それをどう工面したのか、などというとにも全く興味なし。しかし、もういいです。これを機に、ひとり息子である夫は、実家に大ナタを振るいました。

夫は、母親に「入院費どうするの? 入院長期化したら? 施設に入れたいって言ってるけど、結構お金かかるよ。大丈夫なの?」と切り出し、父のいない間に、実家の家計のすべてを掌握しました。買い物のレシートを母に提出してもらい、今後は、貯金もしてもらうことにしました。無駄使いしてないか地方に住む両親の口座を、東京から監視し、両親ともに倒れちゃったとか、認知症になっちゃったとか、そういうときに備えることにしました。「親の介護は親のお金で」・・この話は、また後日。

父の認知症?入院騒動まとめ

もし、父が回復せず、病院や施設での療養が長期間続くことになったら・・。もし、母が頑なに父を家に引き取ることを拒み続け、施設に入れるしかない、ということになっていたら・・。実家は破産、そして私たち息子夫婦も共倒れになったかもしれません。

ギリギリのところで踏みとどまった感のある父の入院騒動でした。ひとり息子である夫は、父だけでなく、施設に入れてしまいたい一辺倒だった母や、言うことが2転3転する病院にほとほと疲れたらしく、「しばらくオレにあの話は一切しないでくれる~?」と言っています。私も、このコンテンツを書き終えたらもう忘れます。これから先、両親がその寿命をまっとうするまでの間には、いろいろあるのだろうと思うけれど、自分に何ができるのか、その時その時で考え実行することだけをしていこうと思います。

早く忘れてしまいたいことなのに、ここに書いたのには理由があります。私は父が入院していた4ヵ月、認知症や病気なので、家族を看護・介護されたりされている方のブログをいくつも拝見しました。本当に困っているときというのは、そのような生の声が参考になるものだとつくづく思いました。私のこの経験も、ここに書き起こすことで、誰かの役に立てるのならと思い、夫の承諾を得、ここに記しました。

読んでくださってありがとうございました。

退院後の父の様子(認知症の薬「レミニール」を飲まなくなった後の様子)について追加しました。>詳しくはコチラ。


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