子どもがひきこもったら怖い。すぐできる対処法 (2)

子どもがひきこもったら怖い。すぐできる対処法 (2)

信頼関係を築くのが先

仕事しなさいとか、自立しなさいとか、言いたいことはたくさんあるでしょう。しかし、こちらが言いたいことを言う前に、それを聞いてもらえるような関係を作ることはとても大切です。多くの場合、それをせずにいきなり「本題」に入ってしまうため、引きこもりの人を怒らせたり、さらに、引きこもらせてしまいます。 ...

「一緒に食事しよう」

「ご飯作ったから、一緒に食べない?」。それはまず言ってみていいことです。「言ってみた。でも断られた」。引きこもりの家族を抱える人の多くが、こう言い簡単に諦めています。しかし、1度や2度それを言って、すんなり同じテーブルについてくれるなら、こんなにこじれていないのです。

「あなたの分、残しておいたよ」と、ドアごしにでもいいので声をかけてください。それが無理なら、「チンして食べてね」と書いてテーブルの上に置いておきましょう。翌朝起きても、手をつけずに残っているかもしれません。しかし、それが、何回も、いえ、何十回も繰り返されることで、やがて、ひとりでこっそり食べてくれるようになる日がきます。そうなったなら大進歩です。そこまでいって初めて、「一緒に食べる」ができるようになっていきます。

部屋の前に食事を置いておく、という方法はあまりよくありません。自室で食事ができてしまったら、食卓まで出てくる必要がなってしまいます。食卓へ誘うようにするのが肝心です。

買い物を頼む

引きこもりの人も、まったく家から1歩も出ないのかと言えばそうではありません。コンビニには行っていたりします。「買い忘れたものがあるの。今日、コンビニ行く? 買ってきてくれると助かるよ。玄関にでも置いといてくれればいいから」。声をかけて、部屋の前にお金でも置いておきましょう。

返事がないなら返事がないでいいのです。やってくれないなら、やってくれないでいいのです。もしも買ってきてくれたなら、扉ごしにでもいいので、「この前はありがとう」と必ず言ってください。そのような内容なら、手紙を置くのでもかまいません。

「電球変えるの、手伝ってくれる?」

「あなたは大切な家族」「頼りにしてる」「あなたがいてくれてうれしい」。そんなメッセージをさりげなく送り続けましょう。背が高かったり、器用だったり。その人の良さを生かしたアプローチを。体格のいい人なら、「重いもの持ってくれる?」。背の高い人なら、「高いところにあるアレ、取ってくれない?」。簡単にできる頼み事をして、最後に必ず「助かった! ありがとう」とニッコリ笑うことを忘れないでください。

自室にこもって、PCやスマホばかりしているなら、「パソコン壊れちゃったんだけど、見てくれない?」でもいいのです。「わからないことあるんだけど、スマホの使い方、教えてくれる?」でもいいのです。

協力してくれなくても、決して責めたりしないでください。「ちょっとお願いしてみたかっただけ。やりたくないなら別にいいよ!」・・相手の気持ちを尊重しながら暮らすことは、相手が引きこもりの人に限らず大切なことです。

「宅配便、受け取っておいてくれる?」

家族と顔を合わさない、口もきかない。それなら、こんな方法もあります。「これから出かけるんだけど、宅配便が届くの。受け取っておいてくれる?」。

受け取ってくれないならくれないでいいのです。決して責めたりしないでください。再配達してもらえば済むことなんですから! やってくれたら、「ありがとう」を忘れずに。

扉ごしに「おやすみ」を

夜寝る前に、扉ごしに「おやすみ」を言い続けたという人がいます。返事が返ってくるわけではありません。しかし、その繰り返しが、相手との距離を縮め、一緒に食事をしたり、買い物に行ってもらえたり・・ほかのことをスムーズに行いやすくします。

肯定する

引きこもりの人と口論をする。これは、最悪です。引きこもりの人と話をするときには、真っ向から否定しない。まずは、言い分をよく聞き、言いたいことをすべてしゃべらせ、肯定する(うなずきながら、だまって聞く)ことが大切です。面と向かって話ができているのです。それを口論にしてしまったのでは最悪です。

過去には、引きこもり傾向のある息子の「小学校の運動会の声がうるさい」という言葉を発端に口論となり、元官僚が息子を殺傷する事件が起きています。その発言を肯定できるはずがない、と多くの人が思うことでしょう。しかし、そのくらいうるさいと思っているという気持ちは肯定できます。「そういう気分なんだな。そのくらいイライラしていたり、辛いんだな」と受け止めることはできます。

「自分のこと、誰もわかってくれない」「自分なんて、いなくてもいいような存在だ」と感じられている人にとって、自分の話を聞いてもらえるということはとても重要なことです。肯定的に聞いてもらえることで、気持ちや頭の整理がつき、「・・そうはいっても、ホントに怒鳴り込んじゃだめだよね」と初めて思うことができる、そういうものなのです。

逆に、真っ向から「子供の声をうるさいとは何事だ」と否定したのでは、「うるさいと言ったら、うるさいんだよ!!」と、引っ込みがつかなくなります。聞いてもらえないから、尚更のこと、自分の言っていることや、感じていることは正しいんだ、と主張したくなります。悪い結果しか招きません。

口論しない

口論になるということは、引きこもりの人と話ができているということです。これを対話のチャンスにしない手はありません。

たとえば「実はな・・ここだけの話、俺も運動会うるさいなって思ってたんだ。正直、関係ない人間にはうるさいよなぁ」と、肯定的に会話を続けることもできます。これは決して、「だから怒鳴り込みに行ってよし」という話ではありません。口論ではなく会話をすることで、相手を激高させずすむ分だけ効果的です。

「でも今日1日のことだしな。ちょっと我慢するしかないなと思ってたんだよ・・」とでも言って、相手の出方を見ることもできるでしょう。「今日は1日うるさいから、外に行かないか?」「食事にでも行って、運動会から避難しよう!」と誘ってもいいでしょう。

否定しない

言っていることを、真向から間違っていると決めつけ、否定したり、見下したりするのは厳禁です。周囲がそのような態度を取るから、引きこもりの人は、ますます引きこもっていざるを得なくなります。「なんか間違ってることを言っているような・・」と思っても、とりあえず相手の言い分を、相手の気がすむまで言わせ、聞いてあげましょう。それなくして、次の「会話」「対話」は始まりません。

引きこもりの人の多くが、「どうせ言っても聞いてもらえない」「否定されるだけだ」と思っています。そう思い込んでいる人と対話をすることは、最初からすんなりとはいきません。これは、引きこもりの問題に限ったことではなく、頑なになってしまっている相手に対して、それだけ根気よく、愛情深く接してあげられるか、という問題でもあります。

引きこもり問題は、家族のこじらせ問題

引きこもりの問題を、まるで引きこもっている本人だけが悪いかのように言われるとき、胸が痛みます。そしてそのような世間の目が、引きこもりの人を、ますます引きこもらせてしまっているとも感じます。引きこもり8050問題は、家族のこじらせ問題です。引きこもり傾向にあるその人の立場に立って考え、その意思や在り方を尊重し、決して「こうあるべき」を押し付けることなく、根気よくアプローチしていく問題だと感じます。そしてそれを実践していけるような効果的なバックアップ体制を、社会全体で早急に考えていかなければならない時期がきているとも言えます。

もしも、家族の中にそのような傾向のある人がいるなら、問題を先送りにすることなく、早めに上記のような方法を参考にアプローチし、どんなコミュニケーション方法ならうまくいくのか考えてみて欲しいと思います。会話やコミュニケーションが完全に断絶してしまった後からそれをするのは、大変な作業になるのは事実です。


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