要介護の親を引き取りたくない。その対処法 (2)

要介護の親を引き取りたくない。その対処法 (2)

親の介護をしたくない時にはこう言おう

「親の介護をしたくない」と思ったら、「引き取れない」「面倒看れない」「お金がない」「家が狭くて無理」「仕事が忙しくて無理」と言い張りましょう。「できない」と言い張ることで、親は「行き場のない状態」になるでしょう。しかし、できないのだからできないのです。曖昧な態度を取らないことが大切です。 ...

「とりあえず」と思わないこと

「とりあえず引き取って、それからゆっくり考えるか」なんて思ったら、そこからズルズルと介護生活に突入、もう抜け出せないということになります。自分しか引き取れる人がいないから引き取ったのです。次の場所がそう簡単に見つかるわけありません。介護施設に入れようにも、良心的な利用料の施設にはたいてい空きはなく、入れるところがない・・という展開になりがちです。

いざ施設が見つかっても、介護されてる本人に「行きたくない」と抵抗され、家で看続けるしかなくなることもあります。「要介護」なんだから、勝手に入れちゃえばいいだなんて思ったら大間違いです。自分の意志が示せないほどの状態の人ならまだしも、あちこち不自由なところが出てきてはいても、体力は余っていたり口が達者だったり、暴言・暴力のある要介護の人はたくさんいます。しかも今は、介護される高齢者の「人権」にウルサイ時代。「強制収容」はできません。施設を見つける以上に、本人をいかに納得させるかが高い高いハードルとなって立ちふさがりがちです。

今、入院中なら

もし今入院中なら、「うちでは看れない」と言って、退院を待ってもらうことです。「今、退院させられちゃ困る」とはっきり言い張りましょう。病院内にケースワーカーさんがいるときには、相談してみましょう。

医者は、患者を早く退院させたがります。(入院が長引くと「加算」が減り、病院の儲けが減るからです。)担当医を通さずに、受付などで「ケースワーカーさんと話がしたいんだけれど」と面談を申し出ましょう。医者が非協力的でも、ケースワーカーさんに力になってもらって転院先や入れる介護施設を見つけてもらえたという人もいます。

入院先の病院から直接介護施設へ

介護施設に入れたい場合には、入院中の病院から施設へ直接移動させるのがベストです。「家では看れない」「引き取れない」と主張しているのです。いったん家に退院させるというオプションはありません。病院から退院をせかされても「家に退院させられない。転院させるか介護施設に行かせるしかない。受け入れ先の準備が整うまで退院を待ってくれ」と言いましょう。

安易に顔を出さない

市区町村や病院の人に「来てください」とたびたび言われます。簡単に行かない、ということも大切です。忙しくて、あるいは、仕事があるから親の介護はできないと主張しているのです。打ち合わせや話し合いの場に簡単に顔を出してしまったのでは、「それなら親の介護もできるのでは?」ということになってしまいます。「忙しいから行けない」と言って、何度か先延ばしにしてから顔を出すようにしましょう。

メンツを捨てる

親の介護から逃げるのに必要なのは、メンツやプライドを捨てること。実際に経験してみて、それを痛烈に感じました。

はっきり「無理です」と言う勇気を持たないと、簡単に押し付けられます。自分は冷たい人間なんじゃないか、と罪悪感を抱きがちになります。「冷たいヤツだ」と思われてるに違いない・・とか思うと弱気になってしまいます。

しかし、落ち着いて考えてみてください。私たち子供の立場の人間にも、自分の生活があります。自分の人生があります。介護生活は、何年続くかわからないのです。「しばらくのことだろう」と思って引き受けたもののそこから20年、なんてことはザラにあるのです。人生100年時代。親をやっと見送ったときには、自分も60とか70歳、下手したら80歳。体力も気力もまだ残っており、やりたいことができる最後のチャンスになるかもしれない自分の大切な時間を、親の介護に明け暮れ台無しにしたくないと思ったら、「嫌だ」「できない」と言い張り、逃げ回ることです。

もちろんこれは、「親の介護をしたくないと思うなら」という話です。「介護したい」「してあげたい」と思う人がそれをすることを否定するつもりはまったくありません。それはそれで素晴らしいことです。しかし、だからといって、そうは思えない人のことを非難・批判したりはしないでください。人にはそれぞれ事情があるのですから。

毒親の介護なんかしたくない

世の中には、親が「毒親」だから介護したくない、という人もたくさんいます。親子関係がうまくいっていないのだから当然です。そのような人は、子供の頃から親に苦労させられ、そして親が年老いても尚嫌いな親の介護問題に悩まされ、おまけに、周囲の人にその辛い立場とか気持ちをなかなか理解されないという孤独まで味わいがちです。「冷たい人だ」と誤解されようが、周囲に理解されなかろうが、自分を守るのが一番。「やりたくない」と思う理由があるからやりたくない。貫いていいのです。

親をうっかり引き取ってしまいそうになりました

私たちもそうでした。夫はひとり息子(きょうだいはいません)。夫婦揃って毒親育ちです。そんな私も、福祉課の方や病院の方に、「息子さんは?」と何度も何度も言われているうちに、「私が介護するしかないか・・」と一度は覚悟を決めてしまいました。

夫が頑固者で、今回ばかりは助かりました。夫は「ぜーーったい引き取りたくない」と強固な意思を見せました。実際に私たちの身に起こったこと、どうやって親の介護から逃れたのかは、次の機会に・・。続く


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