要介護親を危うく引き取るところでした

要介護親を危うく引き取るところでした

老々介護を遠隔介護。毒親(高齢)を引き取りたくないと思ったら

突然入院した父。その容体は重篤で、母が面倒を看るのは無理だろうと思われました。一時は「私たち息子夫婦が父を引き取らなくちゃいけない?」と思ったことも。しかし両親は今、生まれ育った町で、介護保険サービスを利用しながらそれなりに自立した生活ができています。「安易に引き取ったりしなくてよかった」と思います。危ない場面は何度もありました。 ...

認知症?父の発症

父が入院したのは、精神病院の閉鎖病棟でした。「ネズミがいる」と幻覚を見るようになり、服を抱えたまま風呂に入ったり、ゴミ箱に排尿したり、窓をたたき割って外に出ようとするなど大暴れとなりました。最後には、「退治しなくちゃいけない」とハサミを振り回し、止めに入った親戚の男性を殴って怪我をさせ、警官3人がかりでやっと取り押さえられ、精神病院の閉鎖病棟、隔離室に「強制収容」。医療保護入院となりました。

母も夫も、そして私も、「お父さんは、この先ずっと精神病院暮らしかも」と思いました。いえ、そうでないと困る、とも。退院することになったとしても、母と元の生活はできそうもありません。母も拒みました。

福祉課から押し付けられそうになった

母から知らせを受け、夫はその翌日には東京から実家に向かい、母と市の福祉課に相談に行きました。「夫が幻覚を見て、人に暴力を振るい、警察に取り押さえられて精神病院に入院しました。とても一緒には暮らせません。どこかそんな人を、優先的に受け入れてくれる施設はないですか」。それが母の相談事。しかし言われました。「ありません。そういう方、たくさんいらっしゃるので・・。どこも一杯なので・・」。

そして夫は、間髪を入れずこう言われたそうです。「息子さん、引き取れませんか?」。「無理です」と言って、夫はその後、だんまりを決め込みました。

在宅介護させられそうになる

そして続けて言われたこと。「要介護認定を受けてください。結果が出るまでに1ヵ月かかります。早くしないと全額負担になります」。

市の人が言っているのは、要するにこういうことだと思いました。「福祉課の人は、父がいずれ退院してくるものだと思っている。施設はどこもいっぱいなのだから在宅介護するしかなくて、そのときには要介護認定が必要。しかし認定が下りるのには、1ヵ月かかる。認定が下りる前に退院になり、介護保険サービスを使うと全額負担になる。だから早めに申請して欲しい・・」。

しかしあの時、母と夫はそんな説明を聞きに行ったわけじゃない。父は、人を殴って怪我をさせ、警官に取り押さえられ、警察で事情を聞かれ、精神病院の閉鎖病棟、隔離室に入院しています。「いずれ退院してくると思うので・・」という話ではない。「とてもじゃないけど、今後同居はできないと思う。一体どうしたらいいのか。何か方法はあるのか」。そういう人が入れる施設とか病院とか紹介してもらえるのかとか、そういう内容を相談しに行ってるのです。

福祉課は、こちらの状況を理解することなくいきなり「在宅介護」を勧めてきたかのような印象を受けました。「どこも一杯だから入れる施設はない」・・在宅介護していく方向で誘導されていきそうな気がしました。「それじゃマズイ」と思いました。要介護認定の申請をしないまま父を入院させておくことにしました。

実家に帰るのをやめた夫

夫は家に帰ってくるなりこう言いました。「市役所の人と顔を会わせるとまずい。オヤジを押し付けられる」。そんなに頻繁に実家に戻ってこれるなら、親の面倒も見れるんじゃない?とか思われかねない、と。両親が暮らすのは東海地方。どこで誰に見られてるかわからないような小さな町だから尚更です。

夫は、市の福祉課に行った日以来、実家に帰るのを最小限にしました(1ヵ月に1回程度)。その代わりに、毎日のように母から電話で、父の様子やら、市の福祉課とのやり取りやら、病院から言われたことなどについて連絡をもらいました。夫がそれに対し「こうして」「ああして」と指示をする形で、母がうっかり父を家に引き取ってしまった、なんてことが起こらないように事を進めました。

母から父を押し付けられそうになる

父の入院からわずか2日で、市の福祉課から父を押し付けられそうになった私たち。それだけではありませんでした。私たち息子夫婦は、「母」からも父を押し付けられそうになりました。 [...]


人気の記事
いい子症候群診断【セルフチェック】
毒親育ち度診断
人間不信診断【セルフチェック】
自分の親が最悪な親かどうかわかるチェック
親パワハラ診断
ダメな親診断【セルフチェック】
自殺危険度診断【セルフチェック】
すぐわかる!ADHDチェック
毒親チェック
承認欲求セルフチェック


    先頭へ戻る