親の介護から逃げることができました

毒親（老）の介護、嫌だったら断ろう。逃げよう。後悔しないために

これは、こちらからの続きです。
夜中にせん妄を起こし、暴れ、警察沙汰となり、精神病院の閉鎖病棟に入院となった父。入院先の病院からは「転院させます」と言われていたのに、突然「退院してください」と言われて焦りました。（その理由はなんでも、転院先の病院から断られたからだそうで。）何も手を打たなければそのまま退院となり、父を一緒に暮らすことを拒んでいた母から、父を押し付けられるところでした。 ...

入院中に要介護認定を受けさせる

入院している間に、父に要介護認定を受けさせることにしました。母が父との同居を嫌がっている以上、父の行き先は老人ホームしかありません。施設を探すには「要介護認定」が必要です。多くの介護施設は、たとえば「要介護３以上」とか、「要介護１以上」とか条件を定めています。父の要介護度がいくつなのかによって、入れる介護施設が変わってきます。

また要介護認定は、申請してから結果が出るまで１ヵ月かかります。結果が出るまで退院を先延ばしにしてもらい、その１ヵ月の間に、なんとか父の行き先（介護施設）の目星をつけ、入院先から直接施設に移動させるしかないと思いました。

入院中の要介護認定。病院と交渉

夫は母に、病院にこう言えと指示をしました。

「転院させると聞いていたのに、突然退院だと言われて驚いています。次は転院だと思っていたので、要介護認定を夫に受けさせていません。転院してから、次の病院の人に相談してやろうと思っていたからです。今、退院させられては困ります。退院後の生活の準備が全くできていません。要介護認定を受けていないので、介護施設も探せません。家で看るとしても、介護保険サービスが使えません。今すぐ要介護認定の申請をするので、結果が出るまで入院させておいてください。そうでないと困ります」。

父は、入院先の病院で要介護認定を受けました。結果は「要介護１」。入院先の病院からは「ひとりでの入浴が難しいので、デイサービスに行って入浴介助を受けてください」と言われました。

そうこうしているうちに父が快方に

思ったより要介護度は低かった・・と正直なところ落胆しました。父は、精神病院の閉鎖病棟に入院しています。わずか３ヵ月前には、錯乱してハサミを振り回し、警官３人がかりで取り押さえられ、この病院になかば強制収容のような形で入院してきています。その点がどう判定されるのか？？　興味のあるところでしたが、父は、要介護認定の調査員の人の質問に普通に答えていたとのこと。「膝が悪くてひとりでの入浴が無理」。介護が必要なのは、その点だけのようでした。

実際父は、入院して３ヵ月目までは、面会に行った母の目から見て「お父さん、なんかおかしい」といった様子でしたが、４ヵ月目にメキメキ元通りになっていきました。

父は認知症じゃなかった！

父の病気は、認知症なのかと思っていました。認知症なのだとしたら、治ることはないのだから、「同居は無理」なレベルが維持されたままなのだろうと思っていました。だからこそこちらは、入院していられないなら介護施設に入れるしかない、と思ったのです。

なぜだかこの病院は、患者家族である母に、父の病名さえ説明してくれませんでした。だから「認知症なんだろう」と思い込んでいたのだけれど、入院３ヵ月半が過ぎ、記入の済んだ医療保険提出用の書類（医師の診断書）が病院から届いて病名が判明しました。

父の病名は「急性一過性精神病性障害」でした。これは、ショックなことや過度なストレスにさらされたとき、正気ではいられなくなり、おかしな言動を起こしてしまうもの。高齢者特有の病気でもないようです。父の場合には、肉親の死がきっかけでした。それは病名が示すとおり「一過性」。父は、３ヵ月の入院で、肉親の死について心の整理をつけ、正気を取り戻したようでした。

母に引き取らせる方針に転換

「精神的な病の方は治ったとしても、どこか体が悪いとかあれば、それを理由に転院させてもらうとかできそうなものだけどねぇ・・」。当時私は夫とそんな話をしました。「ひざが悪く、ひとりでの入浴が無理」・・問題はそれだけで、どこも悪くない。実際、面会に行った母の印象も、「お父さん、元通りになってきてる」とのこと。しかも、父は、当然母が家に連れて帰ってくれるものと思っており、それを明らかに待っていました。

「流れ変わって来ちゃったね。お母さんに、お父さんと一緒に暮らすように説得するのが一番自然な展開のような気がしてきた」。最初に言い出したのは私でした。実際介護施設にいくつかあたってみたけれど、両親の年金や資金だけで入るのは無理。夫も介護施設に入れたときの費用を考えると「バカらしい」と言いました。「オフクロにオヤジを看させよう」と夫が決断しました。

父に「施設に行って」と言い出せない母

母は実際、父に「今後は施設で暮らして」とは言えずにいました。息子に言って欲しかったようでしたが、そんな役回り夫も御免に決まっています。私も「嫌な事、全部こっちに押し付けないで欲しい」と思いました。

母も、これ以上粘れない・・と感じ始めていたようでした。母は、父が怖くて何も言えない。おまけに元通りになっちゃってる。しかも、家に帰りたいと言っている！　「父を退院させる。母が家で面倒をみる」・・完全に流れはそちらに向かい始めていました。そのタイミングで、トドメをさすべく夫は母にこんな手紙を送りました。 [...]

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