デイサービスの人間関係。87歳父、トラブる (2)

私は母にたしなめられました。「お父さんは本当は優しい人なんだ」と。私は心から反省しました。どんなに酷く見える人でも、家族にとっては大事な人だってことがある。私は二度と、母の前で父を悪く言いませんでした。 ...

父を施設に入れたがってる母

だから今更、そんなお父さんが嫌だから施設に入れたい、お金ないけどなんとかして、と言われてもねぇ。お母さんは、そういう性格の人と結婚した。そして６０年。お母さんかわいそう、なんて同情は、むしろ失礼かなとさえ今は思ってる。

それにしても、父はなんで女性にからまれるんだ？

苦手意識があると、かえってからまれたりするよね。犬はなぜだか犬嫌いの人にちょっかいだしたりするって聞いたことがある。それと似てる？

父は嫁の立場である私のことを新婚当時からよくいびってくれました。最初は私に悪いところがあるんだと思っていた私も、次第に違う見解を持つようになりました。

父はどうやら、職場で女性教師にやりこめられていたらしい。私をいびってたのは、その八つ当たり。それはそれで腹立たしかったけど、私は別に何も悪くないんだと思ったら、気が楽になったっけ。

そのお婆さん、元気よくて、はっきり物を言い、学校の先生にいそうだよねぇ。天敵みたいな人にからまれちゃったんだ、お父さん。またもや。

父は現役の教師一筋。教頭にも校長にもならず、教師生活を定年退職まで続けた父でした。子供には人気の先生のようでしたが、弁が立つタイプでもなく、いい顔をばかりして言い返したりしない父は、女の先生たちにやりこめられ、ストレスを溜めていたようです。

高齢になりデイサービスに行っても、またもや気の強そうな婆さんにやりこめられてストレス溜めてるなんて。そんな父を見ていると、年取ったからといって、悩みごとから解放されるなんてことはないんだな、とつくづく思う。

人はどこまで行っても、同じようなことに悩みながら生きていかなくちゃいけない・・。年とともに、おおらかに、悩みすぎず、考え過ぎず。私はこれから、そんな生き方を心がけていきたいな。父からの貴重な「教え」として、心に刻んでおこう・・。