介護ストレス。母のＰＴＳＤを治してみた

老々介護。老母が認知症？の老父に暴力を振るわれた。

介護ストレス。認知症の家族から暴言や暴力を受けてのＰＴＳＤ。介護には、そんな問題もあることをご存じでしょうか。実際私も、父から母が暴力を受け、それが原因で、母がＰＴＳＤとなり、困ったり悩んだり・・。しかし私たちは、こうしてそれを乗り越えました。 ...

父の発症と母の介護ストレス

父が入院しました。ある日、「ネズミがいる」と幻覚を見て、「退治するんだ」と家中をひっくり返し、あらゆる物を破壊し、窓をたたき割ろうとし、トイレのタンクをひっくり返そうとし、最終的にはハサミを振り回し、止めに入った男性を殴って怪我をさせ、警察沙汰となり、精神病院に医療保護入院となりました。

母はそのときの父の姿が目に焼き付いて忘れられないと言います。動物のように唸りながら、別人のような目つきで母を睨んでいたそうです。「夫とは思えない」を通り越し、「人とは思えない」と感じたそうです。

そんな経験をした母。トラウマにならないはずがありません。父の入院後、母には、ＰＴＳＤ（心的外傷後ストレス障害）の症状が出ていました。

父の退院を頑なに拒む母

母は家にいると、何かの拍子にそのときのことがフラッシュバックして心臓がバクバクすると訴えていました。「お父さんと同居するのは無理。家に帰ってきて欲しくない」と当初から言っていました。

父は、精神病院の閉鎖病棟に４ヵ月入院しました。「ここまで壊れちゃったとなると、このまま一生閉鎖病棟暮らしだろうな」と思われました。しかし、父はなんと３ヵ月の入院ですっかりよくなり戻通りとなりました。どうやら父が壊れてしまった原因は、肉親を亡くしたことにあり、その件について気持ちの整理がついたら、元に戻ったようなのです。父は家に帰りたがるようになり、病院からも退院をせかされ、家に退院させないわけにはいかなくなりました。

介護ストレス。母のＰＴＳＤを治す

父を家に退院させるには、母に立ち直ってもらう必要があります。母のＰＴＳＤが治らないと、父を介護施設にやるほかない。しかし父の猛反対に合うのは必至。一度切り出したら、２度と家には戻さない覚悟でやらなければ、しこりが残りこじれるでしょう。母が父を説得できるのか・・どう考えても無理そうでした。しかも、介護施設に父をやるとなると、私たち息子夫婦が毎月費用を援助しなければなりません。それも無理な相談です。

そこで私は、母に電話をしました。ＰＴＳＤを治す方法を母に教えてみることにしたのです。80歳の母にもよくわかるように、こんな風に説明してみました。 [...]

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