要介護父。デイサービスで怪我をする。 (2)

怪我して中止・・それでは何も進まない

こんなことがあったからといって、ボール投げのレクリエーションをやめたりしないでくださ～い！！と、私は東京の空から、両親が暮らす東海地方の小さな町に叫びたい気分です。やめてしまったら、父が残念がるし、ほかの利用者の方もガッカリしてしまうかもしれない。 ...

高齢父のプライドと「老い」

お父さんには元体育教師のプライドがあるから、今回のことはショックだったかもしれないけれど、そうやって少しずつ昔のようにはできないんだな・・などと老いを受け入れることをしなくてはいけないと思うし（父は８６歳。もう少し早く、自覚して欲しいところではありましたが・・）、今度やるときにはムチャしないと思う。それでいいと思う。

高齢者から生き甲斐を奪ってはいけない

介護って、そういうものなんだな、と思いました。危ないからといって、高齢者からいろいろなものを取り上げたり禁止してしまったら、生き甲斐をなくしてしまう。だからといって、好きなことをやらせたら、怪我をしたり、場合によっては、致命傷になるかも。

でもいいんじゃないかな、と思う。ここから先は「死生観」みたいなことで、個人の考えによると思うけれど、人はどっちにしろ、いつかは最期を迎えるもの。父がもし、ピッチャーのまねして転んで頭を強打してそれっきり・・になってしまったとしても、私は、「お父さんらしい最期だったな。大往生だな」と思うと思う。デイサービスの人にも、「父は、最期の瞬間まで楽しかったと思う。ありがとうございました」とお礼を言いたいなと思う。

夫婦の会話が増えた

父のそんな様子を聞くたびに、私たち夫婦（私の夫はひとり息子。私は嫁）も、「老い」についての話をすることが多くなりました。

夫は「オヤジも馬鹿だなぁ。そんなムチャして」と苦笑し、私は「お父さん、張り切るねぇ。デイサービス楽しんでるじゃない！」と言いました。そんな会話をすることで、夫も、やりたいことを禁止されるより、ムチャして人生におしまいになった方がいい！とか思ってるってことがわかったりする。私は、その意志を最後まで支持しようと思ったりする。

「要介護１」でい続けられるかが心配

私が心配なのは、お父さんが元気になり過ぎて、要介護１から「要支援」に転落しちゃったらどうしよう？！ということ。父は、十年くらい前から膝が痛いとずっと言っており、今は「要介護１」。デイサービスで入浴介助を受けています。

しかも父にとって、デイサービスは、唯一の息抜きになっています。母とイマイチ夫婦仲の悪い父は、母とのふたりきりの生活だとキレてしまう。要介護１の下は、「要支援２」その下は「要支援１」。要支援１以上なら、デイサービスに行くことはできるけれど、それでもなんとか「要介護１」であって欲しい。

元気に見えても自宅の風呂には入れない

入浴介助が受けられるのは「要介護１」以上。「要支援」では、デイサービスに参加はできても入浴はできない。父は自宅で入浴しなければならなくなってしまいます。

自宅のお風呂はかなり狭く、手すりがなく、借家なので改造することもできない。浴槽が深く、両親（正しくは義両親）より３０歳若い私でもひと苦労なくらいです。膝が悪い父がひとりで入浴するのはちょっと無理だろうな・・と思う。母も高齢で、補助はとてもできないだろうな、とも。デイサービスで入浴介助が受けられているのはとてもありがたいのです。

「要介護１」の意味がわからない父

「あんまり元気になり過ぎると、デイサービスでお風呂入れなくなっちゃうよ！」なんて、冗談めかして父に釘を刺しておいたらどうだろう？？なんて思ったりするけれど、それができない相手、それが父。

父は、政治とか、経済とか、行政とか、金融とか、保険制度とか、そういったことにとんと弱い。元体育教師。校長にも教頭にもならず、子供とひたすら向かい合い続け、それが大好きだった人でした。父は、高齢になってきたから・・ということでは決してなく、元々、そういった制度的なことを、まーーーったく理解できない人。父は今でも、自分が「介護保険サービス」を利用しているという自覚がなく、「なんとなく。楽しいから（デイサービスに）行ってる。ついでに風呂に入ってる」と思ってる。「これにいくら払ってるんだ？」という疑問さえ湧いていない模様。（そういうことは、結婚して６０年、ずっとずっと母まかせの父でした。）

要介護度なんてことを説明しても、「？？？」で、あんまり言うとイライラし始めて、「俺をバカにするな！！」とキレたりするのは目に見えている・・。ピッチャーの真似して大きくふりかぶってボール投げようとしたなんて、膝、ホントに悪いの？？と心配になる！　いや、膝が悪いから転んじゃったのかな・・むしろそうであって欲しい！

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