高齢父、知り合いの名前が思い出せず３時間悩み２日間寝込む

頭を使うと疲れるらしい・・。２日間寝続けた父。そしてその翌日は「眠れない」と。そりゃそうだろ！

夫、今日も実家へ定期連絡。母から「今週の父の様子」を聞く。母は父を認知症だと思っている。介護施設にやってしまいたいと思っている。なんとか母に、父の面倒を看てもらわないと、こちらでは引き取れない、というか、引き取りたくないから困ってしまう。ストレスがたまっている母のガス抜きのために、夫は今日も母に電話をしました。 ...

母は認知症だと思っているけれど・・

父は一度、せん妄を起こし精神病院に入院したことがあるのだけれど（なぜせん妄を起こしたかは、後半に書きます。）母はそれ以来、父を認知症だと思っており、一緒に暮らしたくないと言っています。一緒に暮らしたくないと言われても、貯金も資産もない両親の場合、父を介護施設に入れることは到底無理。ひとり息子である夫とその嫁である私になんとかして欲しいと言われても・・。

母から「この人、認知症に違いない」という目で見られている父には、今週こんなことがありました。

知り合いの名前が思い出せないと３時間悩む

父はデイサービスに週２回行っています。デイサービスで誰かと話をしているときに、どうやら知人のことを思い出したようです。その人は昔、父のお兄さんの家の庭の手入れをしていた「庭師」の人。

デイサービスから帰るなり、「あの人は、何て名前だったっけ・・」と。母の知らない人です。母にもわからず、でもどうしても思い出したい理由があった父は、そこから３時間、考え続けました。（思い出したかった理由についても後半で書きます）

母いわく、「テレビも見ないで、思い出そうとしてた。また頭おかしくなったんじゃないかと心配した」とのこと。テレビの大好きな父です。テレビそっちのけで・・は、確かにいつもの父じゃない。しかし、心配するほどのことでもなさそうな。しかし、そのときの父の様子は、確かにちょっと変でした。

見えない人としゃべってた父

父は、まるでそこに誰かいるかのように、ひとりでブツブツしゃべったり、笑ったり、うなずいたりしていたそうです。父のことを知らない人から見たら、「完全にいっちゃってる人」に見えたことでしょう。

母はそのときの様子を夫に電話で訴え、「お父さんは、やっぱりおかしいと思う」と言っていたそうなのですが、私も夫も「そうでもないんじゃない？」と思いました。なぜなら、昔からそんな感じだし。父と６０年も一緒に暮らしている母が、それに怯える方がわからない。

亡くなった人と話をするのがうまい父

父は亡くなった人と話をする癖が昔からありました。新婚当初から、私はそんな父の様子を見ていたワケなので・・その年月や、なんと２５年以上！

父は、霊感が強いとか、幽霊が見えるとか、そういうのではありません。父は、お酒を飲むと、一晩中、亡くなったお母さん（父の母親）と話をするのが常だったのです。たばこを吸いながら、ひとりで何やらブツブツしゃべり、うなずき、笑い・・。酔っぱらって、お母さんと話をする、それが父のストレス解消だったようでした。

父が思い出したかった「人」とは・・

父が名前が思い出したかった「庭師」の人とは、半年ほど前に亡くなった父のお兄さんの家に来ていた人で、いわば故人となったお兄さんとの共通の知人です。私は夫に言いました。「お父さん、亡くなったお兄さんと、しゃべってたんんじゃない？　あの人、なんて名前だったけなぁ。兄貴、覚えてる？　あのときあんな話したよね。楽しいかったよね・・」。そんな話を、空想？妄想？幻覚？の中でしながら、庭師の人の名前を思い出そうとしたのかも。

父は、３時間かけて、その人の名前を思い出したそうです。私なんか、芸能人の名前、思い出せないとなったらもう無理。すぐ検索しちゃう。父、８７歳。ひとりで思い出せたのがスゴイ。

なぜ父は、そんなにその人の名前を思い出したかったのか、それには理由がありました。そして気づいてみれば、父にとってそれはとてもとても重要なことでした。 [...]