不謹慎な父親。 (2)
広島と長崎の原爆の日に飲みに行きたがった父
父は昔から、8月6日や9日の広島や原爆の日に、たいてい家族にこう言いました。「みんなで飯食いに行こう」「飲みに行こう!」。しかも、式典の厳粛なシーンがテレビで流れ、黙とうしている最中とかに。 ...
みんなと一体になるのが好きな父
父はおそらくそんなシーンを見ていると、「国民みんなが心をひとつにしてる!」とかテンションがあがるんだと思う。それはそれで悪くない。過去を振り返り、同じことが再び起こらない世界に・・と心をひとつにする日なんだから。
しかし父はそれでは終わらない。俺もその輪に入りたい!と思う。静かに黙とうをささげればいいものを、「俺も誰かと心をひとつにしたい!」とか考えている。そして家族に言う。「今日は、みんなで焼肉食いにいくぞ!」。
誰も父に賛同しない家族
被ばくされた方や、そのご遺族が参加されている式典をテレビで観ながらそれを言われても。不謹慎な・・としか思えない。家族はみなドン引きでした。
誰も「行こう行こう」と言わない。私ももちろん言わない。別に「焼肉食べに行こうよ」って誘ってくれることがあってもいいけど、言うタイミングが完全に間違ってる。誘いに乗ってこない家族に、父はイライラする。たいてい広島と長崎の原爆の日はキレて、家族に当たり散らし、ひとりで飲みにいって、ベロンベロンに酔っぱらって帰ってくる。誰とも一体になれず仕舞い。
デイサービスで父の希望がやっとかなった?
前回のデイサービスで父は、「おとといは、長崎の原爆の日やったなぁ~。長崎の歌、歌いまぁす」と、「長崎は今日も雨だった」を熱唱したそうです。「大変お上手でした!」などとおだてられご機嫌だったようで。
被爆された方、被爆2世の方、ご遺族。その方々のお気持ちを考えれば、「原爆の日なのでぇ~!」とか言って、カラオケで「それにちなんだ歌」を熱唱するのは不謹慎だとお叱りを受けても仕方ない・・。しかし父は87歳。要介護1。「年寄りのやってることだから」「機嫌よく過ごしてくれればそれでいいんだから」で済む年齢になりました。
家族としては、過去の様々な不快な思いもあり、「お父さん、楽しかった?」などとは到底言う気にはなれないけれど、「原爆の日には俺もみんなとひとつになりたーい!」という父の長年の希望は、87歳、要介護になって、デイサービスでやっと叶えられたのかもしれません。
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