毒親疲れ。介護バーンアウトしてしまいました (2)

夫を老人ホームに送りたがった義母

父は、入院していたのだけれど、６ヵ月ほど前に退院してきました。母は、父が退院してくることを拒んでおり、介護施設に入れてしまいたいと言っていたのだけれど、経済的なこともあり、何より父が家に帰りたがっていたので、夫が母を説き伏せ、なんとか元のとおり父と母は同居するに到りました。 ...

父が退院してきてからというもの、母は何かにつけて電話をしてきて、父の愚痴をこぼしました。母もストレスがたまっているのだろうと思ったので、話を聞きました。

繰り返された「お父さんの具合が悪い」の訴え

「お父さんが寝ないんや」と言えば、そういうときの対処法をネットで調べて母に伝えたりもしました。夜、ホットミルクを飲ませるといいとか、足をマッサージするといいとか。

「お父さんが便秘で困ってる」と言えば、高齢者にも飲める整腸剤を調べて、母に伝えたりもしました。

「お父さんがイライラしてる」と言うので、市販の鎮静薬で高齢者にも飲ませられるのはないかと思い、探し、自分を実験台にそれを服用し、どんな効き目か確認することまでして、母に勧めたりもしました。

具合が悪い。でも病院に行きたくない

なぜそこまでしたのか。父が、病院へ行くことを断固嫌がっていたからです。「お父さんが、病院へ行ってくれんのや」というのも母の悩みで、その話も何度も聞きました。嫌がってることを無理にさせても何もいいことはない。市販薬でなんとかなる程度の症状なら、無理に病院に連れて行くのはどうか。父の気持ちが「行ってもいいかな」と傾いてくるまで待ってみた方がいいんじゃないか・・。いろいろ苦心しました。

「そもそもなぜお義父さんはそんなに病院嫌いになっちゃったんだろう？」。そのことも随分考えたし、「今後具合が悪くなったら、どうしたらいいんだろう・・」と悩みました。父は長期入院をしていたので、それがよっぽどのトラウマなのだろうか、と心底心配していました。しかし真実は違いました。

「病院へ行けない」は嘘だった

父が退院してから６ヵ月。ひょんなことから母が父をあちこち病院に連れ回っていることが判明しました。少しでも心配なところがあれば、父の気持ちなどまるで無視で、「この人は、認知症じゃないかと思う」などと精神病院にまで行ったそうです。

母は最近「お父さんが、全然しゃべってくれない。暑い寒いも言わない。困っている」と言っていました。おかしいな・・とは思っていましたが、認知症を疑われ、タクシーに無理やり乗せられ精神科に連れていかれた父が、母に口を聞かなくなっても不思議はないと思いました。暑いとか、寒いとか、下手なことを言えば、病院へ連れていかれて、入院させられ、二度と家に帰ってこれなくなるかもと思っているのだと思います。どうやらそれが父の「病院嫌い」の原因でした。

介護バーンアウトしました

それを知ったとき、私は全身の力が抜けていくようでした。「お義母さんが、お義父さんが病院へ行くのを嫌がって困るって言ってたから、ネットでいろいろ調べたり、薬局で話聞いてきたりしたのに。認知症を疑って精神科に連れていったとか、その精神科から大学病院行くように言われて、大学病院でMRI取って脳に梗塞が数カ所あると言われたとか、そんな話、ぜんぜん聞いてない。どうして言ってくれないの？」。母に騙されていた気分でした。

私なりに、義父や義母の力になりたいと頑張ったのだけれど、いい結果が伴わない。バーンアウトする典型的な構図でした。

私は利用されただけ

義母は「ほかに頼れる人いないのよ」とか言っていました。だから私も一生懸命になってしまいました。でも結果的には、あちこち病院を頼って、薬とかもらっていたわけで。母は、私のこの「人に尽くしてしまいがちな性格」をいいように利用したんだな、と思いました。

一応義母に聞きました。「脳梗塞のこと、なぜ言ってくれなかったの？」と。病院へ行ったと報告したら、電話する口実がなくなるからだ、みたいなことを言っていました。電話を切ったら、頭が真っ白になり、立ち上がれなくなりました。涙があふれました。

介護バーンアウトからの回復

私は過去に２度ほど仕事で「バーンアウト症候群」になったことがあるから、今の自分の状況がわりとわかります。私は、介護に、義母に、完全にバーンアウトしちゃったと思います。こんなときは、ストレス源から離れるのが一番だということも、経験者なのでわかります。

しばらくは義母と電話するのをやめようと思います。夫がすべて引き受けると言ってくれました。夫の実家のことはいったんすべて忘れます。ストレス源から離れると３ヵ月くらいでよくなる、それが「燃え尽き症候群」であることも経験者なのでわかります。でもな・・同居して介護している人は、そうもいかないよな・・。本当に大変だ、介護って。介護するときには、自分を大切にすること、忘れちゃ駄目だなとつくづく思いました。

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