[介護生活１年]父のせん妄と腰椎圧迫骨折。なぜか肩の荷が下りる (2)

親の介護。スタンスを変えた私たち。

これからは、かかりつけ医と、介護保険サービスにお任せしよう・・と肩の荷が下りたのは忘れもしない2019年10月4日。父が倒れてからまる１０ヶ月のときでした。 ...

・父の「具合が悪い」「便秘」「不眠」について母が不安を訴えてきたら、「内科の先生に相談してみて」と言うことにしました。
・介護の悩みや不安を訴えてきたら、「ケアマネさんに相談してみて」と言うことにしました。
・それでも埒が明かないときは、市の「２４時間健康相談ダイアル」の番号を教え、「そこに電話して、どうしたらいいか聞いてみて」と言うことにしました。

実家には片道車で５時間かかります。どんなに窮状を母から訴えられても、私たちにも仕事があり予定もある。そう簡単に駆けつけることはできない。地元にある各種サービスを徹底的に利用させてもらいながら乗り切るしかないない。実際、腰椎圧迫骨折なんて大きな怪我も、私たち家族がノータッチでも、医療関係者とケアマネさんなど介護関係の方たちによって乗り切れている。これでいいんだ、自分たちで何とかしようと思っちゃダメだ、物理的に離れていて実際何とかなんてできないんだから・・！と気づいたら、「あ、終わった」とふたりの親をサ高住（サービス付き高齢者住宅）にでも無事入れ終えた後みたいな達成感と爽快感を感じていた自分がいました。

夫は、週に１回の実家への電話を今でも続けています。かなり憂鬱そうなので、「１ヵ月に１度にしたら？」とか言うのだけれど、「いきなり電話がかかってくるのが一番嫌だ。週に１度の電話するのは、その予防線だ」と言っています。最近の高齢者は、本当に長生きで、１００歳まで生きるとなると、父とはあと１０年。母とは２０年近い付き合いが待っています。その間、毎週実家に電話するのかと思ったら、正直ゾッとするのは事実です・・。

父、母への不信感が募り過ぎてて一触即発

兄弟を亡くした悲しみに耐えきれず、精神的に不安定になっていると思われた父でしたが、どうやら今では、「夫婦関係がぎくしゃくしている」ということの方が父にとってストレスになっているようで。

11月中旬。父が、自分は妻からうっとおしがられていると本気で考えていることが発覚。ケアマネさんに「どうしてあんな遠い病院に、入院することになったのかわからんのや」とぼやいたらしい。母が、自分をどこかにやってしまいたくて、わざと戻ってこれないような隣の市の病院に自分を入院させたんだと思っているらしい。

父は、約１年前に、隣の市の精神病院に救急搬送されて、４ヵ月間入院していたんだけれど、わざと遠い病院に入院させたわけではなく、最寄りの病院に救急搬送されたものの満床だったから、そのとき空きのあった隣の市の病院に搬送されたというだけのこと。

母、電話で「お父さんが、そんなこと言ってるんだけど。暴れたからだ、って言ってもいいと思う？」と聞いてきた。「Ｓ病院に救急車で運ばれたけど、そこがいっぱいだったから、Ｊ病院に行くしかなかったんだよ、って言えばいいじゃない？」と助言。

父は、Ｊ病院に４ヵ月入院していたのだけれど、退院前、面会に来た母に「入院したときのことを覚えてないんや。どうして、この病院に来たんかな？」と聞いています。母は「そんなこと気にせん方がええ」と言って、答えなかったそう。「え？？それでいいの？　ちゃんと話した方がいいんじゃない？？」と思ったのだけれど・・やっぱりあのときちゃんと話していれば、こんなにこじれることはなかったんじゃないか・・と思ってしまう。

介護１年目。今年のまとめ

介護とは大変なものだとは聞いていましたが、こういう感情のもつれというか、家族内の人間関係のこじれ、経済的な問題や、これまでの悪しき生活習慣のようなものもその要因になるのだとは知りませんでした。

父のことは、介護保険サービスを利用させてもらっていることで、むしろうまくいっていると思います。私たち夫婦が頭を痛めているのは、母です。身体的な介護のいらない母なのです。

私は、嫁として、義母は嫌いな存在ではありませんでした。しかしこの１年で、義母を見る目はガラリと変わりました。「こんな人だとは知らなかった・・」とショックでもあります。でも気づきました。私以上に辛いのは父に違いない。６０年も連れ添って、「こんな人だとは知らなかった」とか「俺の妻は、俺にいなくなって欲しいと思ってるのか・・」みたいな不信感を抱かなえればならない父の心中はいかばかりかと、その心中、察するに余りあります。

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