周囲の人を非常識呼ばわり！「自分が常識」の毒親 (2)

母は頭を抱えてこう言いました。「あぁ・・・お母さんがっかりよ。あなたには、ちゃんとした常識を植え付けてあげたのに。やっぱりあの人と結婚させたのは失敗だったわね」。まるで、結婚して私が堕落してしまったかのような言い方でした。私はショックでした。 ...

今思えば、それを母に言ってしまった私がバカでした。でも実際、母の日にカーネーションよりお菓子を贈って喜ばれることもある。お正月にはおせち料理、という家庭もあるけれど、形式にこだわらず家族の好むものを作ってお正月を祝う家庭もある。それだって別に「非常識」じゃない。私は結婚して、新しい価値観に触れ、自分のものの見方が広がったことがうれしかった。ただそれを母に伝えたかっただけでした。

私は随分長い間、結婚後の自分の考え方や価値観の変容に自信が持てずにいました。夫のことが好きでありながら、その一方で、母をあんなに落胆させるなんて、自分の結婚は間違っていたのではないかとさえ思っていました。友達の中には、親・知人の紹介やお見合いで結婚した人もいました。「価値観の似た両家なら、こんなトラブルは起きないだろう。愛してる、という気持ちだけで結婚した私は大バカ者だったのではないか・・」。

『毒親』という言葉を知って、子供にそんな気持ちを抱かせること自体、親として私の両親は間違っていた、とようやくわかりました。

私たち夫婦は、今年銀婚式を迎えます。母には母の「常識」があって、私はそれを否定しません。でも夫の家族にはそれとは違った価値観があって、そして、私たち夫婦も、２５年の年月をかけて少しずつ我が家のやり方、価値観を築いてきたのだな、と少しお腹の出てきた夫を愛おしく感じながらしみじみと思います。

自分のやり方・考え方が「常識」だと、母は今だ信じて譲りません。私を、夫を、そして私の家庭を「非常識」と呼ぶような人とは付き合えない。私は親と縁を切りました。

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