子供を連れまわす毒親 (2)

私はこれまでずっと、「私は思いやりのない人間だ」と思ってきました。実際私は、ひどく自分中心で、他人を思いやれないところがあります。そのことで何度となく友達にも嫌われてしまったし、自分でも「自分は性格が悪いのではないか」「どこか変なんじゃないか」と自分に自信を持つことができませんでした。 ...

私のこの性格は、親の育て方の影響なのではないか、と夫に相談したとき、夫は私に言いました。「自分のことを大切にできない人は、人のことも大切できないと思うよ」。

私はこれまで、私には思いやりが足りないから、人のことをもっともっと考え大切にしないと・・とそればかり考えてきました。でも、逆でした。私は、親から自分の気持ちを大切にしてもらったことがない。だから、自分でも自分の気持ちを大切にできない。大切にする方法がわからない。だから人のことも大切にできないのです。

私はその日から、徹底的に自分の気持ちに忠実になることにしました。どうすることが自分を大切にすることなのか、皆目見当もつかないから、とりあえずやってみることにしたのです。これが食べたい、と思ったらそれを食べるし、これはしたくない、と思ったら後回しにする。そんな生活を１年も続けて、私は変われました。

今はよくわかります。私には私の「気持ち」があって、人には人の「気持ち」がある。私が私の気持ちを大切にするように、ほかの人もみな自分の気持ちを大切にしていい。人を尊重するってこういうことなのかな、とわかってきたら、自然と人とのうまく付き合えるようになりました。

私の子供時代は、親から自分の気持ちを大切にしてもらうどころか、「親の気持ちをもっと大事にしなさいよ！」というプレッシャーをかけ続けられていたのだな、と思います。親を嫌いになったり恨んだりする気持ちは苦しい。でも間違っていることは間違っている、と認識する勇気を持たないと、前には進めないものなのだな、と痛感しました。

先頭へ戻る